足底筋膜炎は老化が原因なのか?
足底筋膜炎は老化が原因ではない
結論から言うと足底筋膜炎は老化が原因ではありません。老化が原因とされる疾患は老化により筋力が低下することによって関節や筋肉にかかる負担が増して痛みを訴える疾患です。老化により足底筋膜が弱まり痛みを訴えているという考えから「老化が原因」と診断する医師がいるのだと思います。足底筋膜は立つ・歩く際にも使う筋肉であるため寝たきり状態でいない限り使う筋肉です。常に体を支えるために使っている筋肉であるため衰えることはほぼないといってよいでしょう。老化が原因であれば小学生や中高生はおこらないはずです。ここ近年足底筋膜炎の痛みを訴える10代、10歳に満たない子供たちはとてもたくさんいます。
老化が原因であるならほとんどの老人が足の裏に痛みを訴えるはずですが、足裏の痛みは膝痛や腰痛に比べて多くはありません。ここ近年高齢者で足底筋膜炎を訴えている人数は多くなっていますが、年齢に関わらず発症する疾患です。
足底筋膜炎の原因は様々な要因がありますが時代背景もとても関連しているといえます。江戸時代などは今ほど高性能な靴ではなく、今よりもたくさん歩いていたにも関わらず足底筋膜炎が多発していたわけではありません。
そこまで前の時代ではない私が子供の頃も足の裏の痛みを訴える人はいませんでした。
長時間椅子に座ることが多くなったことやスマホなどの普及により猫背姿勢の人が多くなり、歩く際に踵の着地が強くなってしまうことや、食べ物の影響による骨、筋肉の脆弱化により足根骨のゆがみが発生し、余分に足底筋膜に負担がかかるなど昔にはなかった体の変化も影響しているのだと思います。
昔はなかったが最近増えている疾患というのはほとんどが時代背景に原因があります。花粉症もここ数十年の疾患と言われています。当院に相談があった最少の年齢は4歳の子がいました。老化が原因では4歳の子は足底筋膜炎にはなりません。
老化と言われてしまうと諦めるしかないと考えがちですが、足底筋膜炎は老化とは関係がないので改善することは十分に可能です。まずは猫背になっていないか、食生活は乱れていないか、猫背を改善する体操をしてみるなどご自分の生活習慣を見直してみてみましょう。