足底筋膜炎は歩き方が原因?
「シップを貼ったが改善しない」
「セルフケアのマッサージやお灸をしても改善しない」
「整骨院に行っても改善しない」
など足底筋膜炎で長期的に苦痛を感じる方も多数いらっしゃいます。
「なかなか治らないのは自分の歩き方が原因では?」と考える方がいらっしゃいますが、足底筋膜炎になる原因は歩き方が関係しているのでしょうか?
足底筋膜炎は歩き方が原因ではなく、悪い歩き方になってしまう生活習慣が原因であることも
「足底筋膜炎は歩き方が原因では?」と考える方は多く、「どのように歩けば良いですか?」「正しい歩き方を意識した方が良いですか?」など歩き方について質問をされることが多いです。しかし、歩き方が根本原因であることはほとんどありません。皆さんは生まれてから「正しい歩き方」を学校で学んだでしょうか?ほとんどの方が正しい歩き方を学んでいないと思います。足底筋膜炎を患っている方は約200万人と言われています。人口の2%です。正しい歩き方を知らない人たちでも98%は足底筋膜炎にならないのです。ということはほとんど足底筋膜炎と歩き方は関係ありません。「でも歩く距離が長くなると痛んでくるのはやはり歩き方が原因なのでは?」
歩くたびに痛みが増す場合、歩いているのが原因であることがあります。
「えっ?言っていることが逆じゃん!」と思った方もいるのではないでしょうか?
歩いていて足底に負荷が増えることはありますが、それは歩き方が悪いからではなく、今までの生活に問題があり、結果、歩き方が悪くなり足底に負担をかけ足底筋膜炎になってしまうのです。
そのため、歩き方を意識して良くしようとしても足底筋膜炎は改善しません。
例えばデスクワークの方がいるとします。毎日何時間もデスクワークをおこなうことで首はストレートネック、背中腰は猫背になってしまった方いたとします。この姿勢で歩いていると普通の方と比べて歩く時の足底面圧の重心の位置は変わってしまいます。普段のデスクワークの姿勢が原因で歩いた際の足底面圧の重心が偏っていることで足底筋膜炎を引き起こすこともあります。
また、過去に捻挫や靴の普及によりアーチがつぶれてしまって回内足になっている方は土台となる足の部分が充分に体重を支えることができない構造になってしまいます。不安定な土台で歩くのは体にとっては避けたいことなので、足底筋膜をピンと突っ張らせて安定させようとします。
ピンと張った足底筋膜には歩くたびに負担がかかることになるのでやがて足裏痛を訴えるようになります。
現代社会では座りっぱなしや立ちっぱなしなど体を固めて生活することが多く、体の連動性が失われた状態の方が多いです。この状態で歩くと各部位に負担をかけることになるので足底筋膜炎や膝痛、腰痛などを引き起こします。江戸時代などの戦国時代も歩き方の講座などはありませんでした。しかし足軽兵や飛脚などは毎日何十キロも走ったり歩いたりしても足底筋膜炎で苦しんだ人たちはいません。それは歩き方が根本原因ではないからです。歩き方を悪くしてしまっている現代社会の生活習慣が原因だからです。
力みをなくした歩き方が大事
現代社会では姿勢を一定に保った状態で何かをおこなう習慣があるため、「姿勢を維持する筋肉」を使うため体全体の力がうまく抜けないことが多いです。そのため歩く時も常に体に力が入った状態で歩いている方が多いのです。体に力が入った状態は上記でも書いたように体の連動性がなくなり、膝から下の筋肉だけで歩くなど各部位に負担のかかる歩き方をします。脊柱から下肢にかけてがスムーズに動き、かつそれに伴い上肢の動きもスムーズに動けば連動性のとれた動きとなり足底やその他の関節にかかる負担も減ります。ではどのように力みを減らすのか?
力まないことを意識してやる習慣をしましょう。寝ながらでも立ちながらでも良いので体の力をダラーっと抜いて足首手首をダラーっと動かしてみてください。膝をダラーっと股関節をダラーっとした状態でフラフラ揺らしてください。おそらくうまく力が抜けないと思います。ご自分が普段どれだけ力んでいるかわかることでしょう。だからあえて力まないことを意識するようにします。そうするとおのずと力まない癖がついてきます。力まない状態で歩くことができれば足底にかかる負担も減ってきます。
回内足である場合は力みを減らしてもゆがみが強い場合は歩くたびに足底にかかる負担は減らせないことがあります。この場合は整体で矯正するかインソールで矯正する必要があります。力まない歩き方を意識しても痛みが改善しない場合は足に詳しい医療機関に相談することをお勧めいたします。