足底筋膜炎の人はハイヒールを履いても平気?
ハイヒール自体は足に悪い履物
残念ながらハイヒールは足に良い履物ではありません。足の構造上、踵が上に上がっている状態は足がアンバランスな状態になり、様々な部分に負担をかけます。足底筋膜炎を患っている方がヒールを履くとさらに症状を悪化させる要因になってしまいます。ハイヒール自体は女性の足を綺麗にみせるために作られた履物であり、足にとって良い靴だとは決して言えません。ファッションは機能よりも見た目を重視する傾向が強いため、残念ながらハイヒールを履き続けていると足底筋膜炎はなかなか改善することが難しいケースがあります。
どうしてもハイヒールを仕事上履かなくてはならない方はインソールで矯正をかける
お仕事上、どうしてもハイヒールを履く機会が多く、足に悪いと分かっていても履かないといけないという方はハイヒールにオーダーインソールを入れて骨のゆがみを矯正するのが良いでしょう。足底筋膜炎を患っている方はほとんどの方が足根骨という足の骨がゆがんでいます。足の骨がゆがんだ状態でハイヒールを履いてしまうとゆがみがどんどん強くなり、痛みが増し、なかなか痛みから改善することができません。そのため、ハイヒールを履いても足の骨のゆがみを正してくれるメディカルオーダーインソールを使用することをお勧めいたします。インソールと言っても種類が様々あり、一般的な靴の量販店で売られているインソールは多少値段がしても効果があるとはいえません。ハイヒールで使用する場合、その方に合った完全オーダーのインソールを作成することをお勧めいたします。ただしオーダーインソールも作成者によって職人の技術差が大きいため、一概にオーダーといっても良し悪しがあります。私も様々なオーダーインソールを探しましたが、当院はわざわざカナダまで発注をかけます。費用もかかるし、作成までに時間がかかりますが、それくらいインソールはこだわった方が良いでしょう。なぜなら毎日使用するからです。毎日使用するものに妥協をしてしまうとやがてそれが大きな代償につながりかねません。なのでハイヒールを履いてオーダーインソールを作成する場合はまずはしっかりと作成する会社を選んだ方が良いでしょう。
もう一点気をつけないといけないのはオーダーインソールが全てのハイヒールで使用できるわけではありません。形によっては使用できないものもあるため、足のことを考えるのでしたらハイヒールに合わすのではなく、オーダーインソールに合わせてハイヒールを選ぶようにした方が断然良いでしょう。
ハイヒールを履かなくて良い時はできるだけ違う靴を持っていき履き替える
ハイヒールをお仕事上、履かないといけない方は、オーダーインソールで矯正をかけるのももちろんですが、その他の時間でできる限り足に負担の少ない状態にした方がよいでしょう。足の裏は立つ・歩くだけで負担のかかる部分なので治りづらい疾患と言われています。そのため、ハイヒールで負担をかけ続けていると治癒までの期間は伸びてしまいます。できる限り日常生活で足裏の負担を減らすことも重要になってきます。そのため、取引先との打ち合わせでどうしてもハイヒールを履かないといけないという場合以外はもう一つ靴を持っていき、平らな靴に履き替えたほうが良いです。理想を言えばスニーカーのようなクッション性のある靴ですが、さすがにお仕事用の服とスニーカーは合わないのでフラットなパンプスなどに履き替えたほうが良いでしょう。もちろんフラットなパンプスにもオーダーインソールを入れて使用した方がよいです。できる限り痛み改善への努力をしましょう。
足裏が痛いから早く治したい。だけどハイヒールはどうしても履かないといけない。オーダーインソールは高そうだしちょっと・・・・このように考えてしまうのは「体重を減らしたいけど、運動は好きじゃないからしたくないし、ポテチは好きだからやめられないし・・・」と言っている状態です。
今の痛みを改善するには何かしら日常生活に変化を与えた上げる必要があります。
ハイヒールを履くのをやめるのか。
ハイヒールにメディカルオーダーインソールを入れるのか。
ハイヒールを履く時間を減らし、他の靴をできるだけ履くようにするのか。
などご自分でできる限りの努力をしましょう。それがより早期に痛みから解放される手助けになります。
痛みが改善すればまたハイヒールを履ける生活に戻れる可能性も十分あるので今現在足底筋膜炎でお困りの方はぜひ上記の内容を参考にご自分の生活習慣を見直してみてください。