慢性化した足底痛は治らない?
朝の起きがけに足をついた際に起こる激痛、立つ、歩くたびに痛む足裏痛、足底筋膜炎は日々の生活に支障を起こしてしまうほどの痛みになることが多々あります。
足底筋膜炎は急性的に痛みが起こって治まるということは少なく、数か月から長い人では数年罹患する方もいらっしゃいます。整形外科でもこれという治療はなく難治性疾患の一つとされています。最近は体外衝撃波という治療機器を使用する整形外科も出てきて足底筋膜炎に対する治療をおこなっている所もあります。しかし、体外衝撃波でも改善がみられない足底痛もあります。
足底痛を感じてから1年以上経っている足底痛は完治が難しいのでしょうか?
1年以上痛い足底痛でも改善する可能性はある
1年以上足裏の痛みが続いている場合でも改善する可能性は十分にあります。当院へいらっしゃる患者様はかなり長い間足底筋膜炎に悩まされている方が多いです。1年以上続いている足底痛の方は、足底痛に対して的確な治療法をおこなっていない場合が多いです。足底筋膜炎に対して、湿布を貼ったり、マッサージをしていても根本改善はつながりません。足の裏は立つ・歩く際に負担がかかるため、足裏に負担をかけずに生活するには寝たきり状態になるしかありません。普通の生活をしている方はなかなか難しいと思います。
マッサージで多少足底筋膜が和らいでも立つ・歩く動作で足裏に負担がかかってしまうと再び痛みが戻ってきてしまいます。
足底筋膜は足根骨のゆがみによりおこるため、マッサージなどで足底筋膜を緩ませても足根骨のゆがみがある状態で歩いていると再び負担はかかってしまうので慢性的な経過をたどります。足根骨のゆがみを正しく矯正すれば立つ・歩く際の負担も軽減されるため、根本改善が可能になります(詳しくは足底筋膜炎の最新治療をご覧ください)
ステロイド注射を何度が打っている方は慢性的な経過をたどることが多い
なかなか治らない足底痛に対して整形外科でステロイド注射をすることがあります。ステロイド注射は強い消炎鎮痛効果があるため、打った直後から嘘のように痛みが改善することがあります。しかし、ステロイド注射にはタンパク質分解作用があるため、筋や腱などの軟部組織がもろくなってしまうことがあります。足底筋膜炎に対してステロイド注射をする場合、1度の注射で1か月~数か月痛みが和らぐことがありますが、再び痛みが戻ってくることが多いです。1回のステロイド注射で痛みがその後ずっとでなくなるという方は少ないです。再び痛みが出てきて再び注射をするというサイクルを何度か繰り返していると足底筋膜自体がもろくなってきます。
足底筋膜は足裏前面を覆っているため、体の土台となる部分です。体の土台となる部分であるため本来はとても強靭な組織です。それがステロイド注射によりもろくなってしまうと、立つ・歩くたびに負担がかかるためなかなか治らなくなってしまいます。
ステロイド注射で足底筋膜がもろくなってしまうと治療をしてもなかなか改善しないケースが多いです。できる限りステロイド注射はおこなわない方がよいでしょう。
慢性化した足底痛は根本原因を掴むことが大事
足底痛の原因は足根骨のゆがみ
筋膜の癒着
仙腸関節のゆがみ
内臓の反射痛
踵部脂肪体の炎症
など様々な原因があります。仙腸関節など足裏とは離れた部分に根本原因である場合、足底に対してばかり治療をしていても改善しません。1年以上足底の痛みに困っている方は現在の治療では根本原因をとらえられていない可能性があるため、他の治療法を試した方が良いかもしれません。