偏平足を改善するには足底筋膜をトレーニングするのが良い?
足のアーチは地面から離れている時は左図のように盛り上がっていますが、地面に足裏が接地するとつぶれるようになっています。ちょうどスプリングのような働きをして床からの衝撃を緩和する作用があります。
足のアーチがなくなってしまう偏平足自体では足に痛みを伴わないこともありますが、偏平足で足のアーチがなくなると、歩く・走る際にも床からの衝撃を緩和する作用がないため足裏や足首、膝、股関節、腰など様々な関節に負担がかかります。結果、下半身を中心に様々な部位に痛みを引き起こす原因になります。そのため偏平足は改善できるなら改善したいものです。
偏平足を改善する方法がインターネットなどで紹介されていますが足底筋膜を鍛えるトレーニングも提唱されています。偏平足を改善するには足底筋膜のトレーニングすることが良いのでしょうか?
足底筋膜とアーチの関係
足底筋膜(そくていきんまく)とは足の裏全体を覆う筋肉と腱を合わせたような組織です。そのため足底筋膜と呼ばれることが多いですが、足底腱膜(そくていけんまく)と呼ばれることもあります。人体実験で静止して立ったで足底筋膜を切ってみると足のアーチは落ちて扁平化したことからアーチを保つためには足底筋膜が必要であることがわかりました。足底筋膜を切るとアーチの剛性(強さ)は25%してしまうと言われています。そのため足底筋膜を鍛えることはアーチを維持するためには必要であると言えます。
アーチ維持に必要なのは足底筋膜のみではない
足底筋膜はアーチ維持に必要不可欠ですが、人体実験で足底筋膜と足の裏を支える靭帯(じんたい:靭帯とは骨と骨とを支える固いバンドのようなもの)である長・短足底靭帯(ちょう・たんそくていじんたい)、底側踵舟靭帯(ていそくしょうしゅうじんたい)を切除してもアーチの剛性(強さ)は65%維持されたままでした。人体実験により、足のアーチ維持に重要とされていた足底筋膜や靭帯を取り除いてもアーチ自体は維持できることがわかりました。それは骨の形状がアーチの安定性に最も大きな影響があることがわかりました。
足底筋膜をトレーニングしても足の骨がゆがんでいては偏平足は改善しない
足底筋膜を鍛えることは足のアーチの剛性を上げるために重要なことですが、アーチの形状を維持するために最も重要なのは足の小さな骨同士がしっかりと正しい位置に配列されていることです。解りやすく言うとブロックがしっかりとはまっていればアーチを維持することは可能ですが、ブロックがズレているとアーチを維持することが難しくなってしまいます。
ご自分で足底筋膜をトレーニングすることは可能ですが、足の小さな骨を正しい位置に矯正することは難しいです。足の骨を正しい位置に戻すには足に詳しい医療機関などに相談することが良いでしょう。