回外足でも足底筋膜炎になる?
回内足の方は偏平足になりやすく、偏平足になることで足のアーチがつぶれてしまい足底筋膜が引き延ばされた状態になり、その状態で歩く・走るをすることで余計に負担がかかり足底筋膜炎になると言われています。そのため回内足を矯正し足底筋膜炎を改善するというインソールがたくさん販売されています。回内足で足底筋膜炎になる方は確かに多いです。
回内足の逆でかかとが内側を向く回外足という足の状態もあります。回外足では足のアーチはつぶれることはありません。
では回外足の方は足底筋膜炎にならないのでしょうか?
回外足でも足裏は痛くなる
インソールを販売しているサイトでは回外足が足底筋膜炎の原因だと断定している所もありますが、回外足でも足の裏は痛くなります。整形外科で「足底筋膜炎」と診断される方がも多数いらっしゃいます。回外足の方が足底筋膜炎だからといって回内足を矯正するインソールを使用すれば逆効果になることはどなたにでもお分かりになることと思われます。しかし、ここでひとつ注意が必要です。
整形外科で「足底筋膜炎」と診断されても病理学的にみると足底筋膜炎ではない足裏の痛みであることがあります。どうゆうことかというと、一般の整形外科では足の裏に痛み(踵周辺の痛み)があることを訴え整形外科を受診したとします。Ⅹ線(レントゲン)検査をして骨に異常がなければ「足底筋膜炎」と診断されることが多いのです。
医師が「足底筋膜炎」と診断すれば医師の診断は絶対なので足底筋膜炎として扱われます。しかし、本当に痛みを訴えている部位が足底筋膜ではないケースは結構多くあります。
特に回外足で踵が痛い場合は足底筋膜炎による痛みではない可能性が高いです。
歩行を細かく分析すると、人間の体は一歩踏み出し、踵を着いた時に床から伝わる衝撃を吸収する必要があります。そのために踵が着地したら踵が回内足になります。これは足自体がクッションのように衝撃を吸収するのに柔らかい構造になるために回内します。
回外足の人は踵を着いた際に回内足になりづらくなります。結果、床からの衝撃を吸収しづらくなり踵への衝撃がダイレクトに受けることなります。プラス回内足でかかとが着地した時がかかとにあるクッションを最大限に仕える位置で着地することになります。回外足の方が着地するとそのクッションのど真ん中よりズレた位置で衝撃を受けることになり
クッション作用の少ない部分の踵に床からの衝撃がダイレクトに受けることにより踵が痛くなってしまいます。踵骨脂肪体というクッションを痛めてしまうことになります。
この場合、いくら足底筋膜に対して治療をしていても改善しません。
足底筋膜をいくらマッサージしても、タオルギャザートレーニングをしても意味がありません。踵骨の脂肪体の炎症をとること。そして極端な回外足を矯正し、踵が着地する際に回内足になる足を作る必要があります。
回内足であるか回外足であるかは歩行や立位の状態で判断しますが、残念ながら一般の整形外科ではそこまで判断する医師が少なく足専門の医師であれば判断はしてくれるでしょう。
「足底筋膜炎」と診断されても回外足の場合、足底筋膜が原因で痛みを感じているわけではないことをご理解いただけたと思います。もし現在足裏の痛み(特に踵より)に痛みがある方はご自分が回外足であるかどうかを確認し、回外足であるなら足底筋膜炎が原因ではなく踵骨脂肪体が原因の痛みである可能性を考慮してみると良いでしょう。