身体の重心がメンタルに及ぼす影響

足の裏には座る、寝る以外の動作時には常に体重が乗ることになります。足裏に掛かる重心の位置により姿勢にも関係してきます。人間は生まれながらに、左右どちらかに重心が乗るか決まっています。これは効き足とは関係ありません。さらに、踵重心か爪先重心の前後どちらかに重心が乗りやすい方があります。例えば左足が爪先重心の場合、右足は踵重心になりやすくなります。両方爪先重心だと、前へ突っ掛かる感じになり、踵重心だと前へ進みにくくなるからです。この為、左右違う位置に重心が乗りやすくなっています。重心の位置により精神状態にも大きく関係してきます。踵重心の場合、身体が後ろに引っ張られ、猫背の状態なので、どちらかと言うと消極的に傾きやすくなります。爪先重心の場合、身体も前方に出て、前向きな思考で、様々な事に対して行動的になりやすくなります。現代医学では姿勢とメンタル(精神状態)に関してとりあげられることは少ないですが、単純に考えて鬱病の人で胸を張ってどうどうと歩いている人はいないと思います。むしろ下を向いて猫背のような状態の方がほとんどです。現代社会では足のアーチが崩れている人が多く、姿勢の悪い人も大変多いです。もしかするとアーチの崩れ、不良姿勢からうつ状態に移行していう場合もあるかもしれません。

江戸時代など過去には現代のようにメンタルクリニックなどはなく、鬱病患者さんも多くありませんでした。昔の履き物は下駄や草履など鼻緒のある物でした。鼻緒がある事で、指に力が入り、足裏の筋肉がしっかりと使われている状態でした。指の筋肉が使われる事により、しっかりとしたアーチの形成ができ、歩行時の衝撃を和らげる事が出来ます。そのため飛脚は1日何十キロという距離を走れたのです。もしかすると江戸時代の方は下駄や草履のお蔭で足裏の構造がしっかりとしていて正しい姿勢であったお蔭でメンタル的な影響を受けていなかったかもしれません。

靴下や靴などの使用で、指先が動かせなく、足裏に力を入れる事が出来ない方も増えています。得に最近の小・中学生は子供の頃に竹馬などの足の指を使う遊びをおこなっていないことから体の重心のバランスが悪く、猫背や姿勢の歪みがみられる子供たちがとても多くなってきています。私が小学生の頃は肩こりの子供などはいませんでしたが、現在の小学生で肩こりを訴え整骨院などに通う子供たちが急増しています。成長期における姿勢の歪みは発育にも影響が出ますが、正しい姿勢で学習する事が出来なく、直ぐに疲れ、集中力低下などの弊害があります。このように様々な足の重心と姿勢によりメンタルに及ぼす影響は様々考えられます。もしかするとお子様の集中力のなさ、抑うつ状態、やる気がないなどの原因は足の重心や姿勢が原因である可能性がありますのでもう一度ご自分やご家族の身体の重心を確認してみる事をお勧めいたします。

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