足底筋膜炎の人はゴルフボールマッサージをやらないほうがよい！？

「朝、起きがけの一歩目に足裏が痛い」「ランニングをしていると足の裏が痛む」「座ってから立ち上がるときに足裏が痛い」「立っていると足の裏が痛くて辛い」など足底筋膜炎(足底腱膜炎)で苦しむ方々は上記のような症状を感じているのではないでしょうか？
足の裏は「立つ・歩く」など日常生活を送る中で必ず使う部分であるため、毎日痛みを感じない日はないことでしょう。
辛い痛みを改善するためにインターネットで色々と調べてみると「ゴルフボールを転がしながらマッサージすると良い」と書いてあります。簡単なセルフケアなためゴルフボールマッサージを今でもおこなっている方はいると思います。足底筋膜炎(足底筋膜炎)にはゴルフボールマッサージは、はたして良いのでしょうか？

やってみると気持ちが良いゴルフボールマッサージ

座った状態でゴルフボールを足の裏で転がすようにすると足裏のマッサージができます。気持ち良いと感じる方が多く、ゴルフボールマッサージをしたあとはスッキリ感があるため「これは効く！」と感じる方が多いと思います。確かに足の裏をゴルフボールでマッサージすると土踏まずあたりをコロコロとしていると気持ちよく感じ、マッサージ後はスッキリした感じがします。しかし、残念ながら気持ちよく感じるからと言って治っているわけではありません。マッサージをすると気持ち良いのですが、人間は気持ち良いと感じる刺激を入れるとまたやってほしいと脳内からホルモンがでるため、再びゴルフボールで刺激をいれたくなります。
足つぼマッサージに良くいく人はこの状態と同じです。脳内から「もっと刺激を入れてほしい」というホルモンがでて癖になっている状態です。
足底筋膜炎(足底筋膜炎)は足底筋膜が固くなってしまうのですが、固くなってしまう理由があります。それは足根骨のゆがみです。

根本原因を治さないといくら足底筋膜を緩ませても効果なし

足底筋膜炎(足底腱膜炎)の根本原因はほとんどの場合は足根骨(そっこんこつ)のゆがみです。足根骨とは足首から下の骨で片足で23個もありとても小さい骨が連なって足を形成しています。普段は小さな骨同士が密接にくっついて一つの足を形成しています。この状態ですと立つ・歩く際にも体重を支えるだけの強靭さがあります。
しかし、捻挫や骨盤のゆがみなどが原因で足の細かい骨にもゆがみが生じてくることがあります。立つ・歩く際に体の土台となる足に細かいゆがみがあると体は不安定な状態になります。不安定な状態を解消するため、足の裏の筋肉である足底筋膜(足底腱膜)がピンと突っ張って不安定な状態を補おうとします。足底筋膜(足底腱膜)が突っ張った状態で歩いたり立ったりしていると足底筋膜にかかる負担が大きくなるためかかとの付着部が痛んだり土踏まずが痛んだりします。

疲労や使い過ぎで足底が張るわけではありません。足根骨のゆがみを補うために張っているのです。それなのにゴルフボールで張っている足底筋膜(足底腱膜)をマッサージしてもゆがみが治るわけではなく根本治療にはなりません。
むしろゴルフボールで強くマッサージをしていると足根骨のゆがみを助長する可能性もあります。

ゴルフボールマッサージをやったあとは楽になるけど・・・・

「ゴルフボールマッサージをやったあとは楽になるけどやらない方が良いの？」そのように感じる方もいると思います。答えはやらない方が良いです。
ゴルフボールマッサージで「いた気持ち良い」くらいでマッサージをすると脳内から快楽ホルモンが出て一過性に痛みが和らいだような気がします。しかし、上記でも説明した通り根本原因は足根骨のゆがみであるため、マッサージをしても改善にはつながりません。
ゴルフボールマッサージが気持ち良いと「またやってほしい」と脳が指令を出すため、再びマッサージをやりたくなります。何度もマッサージを繰り返しているともっと強めの刺激がほしくなり、だんだんとマッサージの強さも強くなっていきます。(ゴルフボールマッサージの場合、自分でボールにかける圧が強くなってくる)強いマッサージをすると足根骨のゆがみを助長することになるのでゴルフボールマッサージをした後に気持ち良いと感じても行わない方が良いでしょう。

どうしてもやりたい方はテニスボールで軽めに

足裏が疲れてどうしようもなくゴルフボールでどうしてもマッサージがしたいという方はテニスボールでマッサージすることをお勧めいたします。ゴルフボールは小さいため足裏にあたる面が点になってしまうため入る刺激が強くなってしまいます。テニスボールはゴルフボールより当たる面が大きく柔らかいためゴルフボールに比べて足裏にかかる圧が低いためテニスボールを使っておこなうマッサージのほうが良いでしょう。テニスボールでおこなうマッサージも血流改善を目的におこなうため、足底筋膜をほぐそうと強くやるのではなく軽く足裏を転がす程度にとどめておいてください。

足底筋膜炎(足底腱膜炎)を患っている方の中にはランナーの方が多く見受けられます。ランナーの方は日ごろから辛いトレーニングを積んでいるため痛みに強くなっている傾向があります。またフルマラソンなどでは苦しみを耐えた先に感動があるため、セルフケアも痛みをこらえてやればその先には・・・・と考え一生懸命痛いほどやる方がいます。しかしマラソンとは違い、セルフケアを痛いほど一生懸命やっても根本改善にはならないので注意しましょう。