鵞足炎にステロイド注射は効果あり?
膝の内側の痛みを訴える鵞足炎。様々なスポーツで起こる可能性がありますが、近年のランニングブームに伴いランナーで鵞足炎を訴える人が急増しています。一般的にランナー膝は膝の外側が痛くなる腸脛靱帯炎ですが、膝の内側に痛みを訴える場合、鵞足炎である可能性が高いです。鵞足炎を患い、整形外科で湿布などを処方されスポーツを中止していても再びスポーツを始めると痛みが再発することも多いです。
なかなか治らない膝内側の痛みに整形外科でステロイド注射を打つという選択もありますが鵞足炎の治療でステロイド注射を打つ選択は正しい選択と言えるのでしょうか?
ステロイド注射により痛みが劇的に緩和する可能性はある
ステロイド注射はあらゆる痛み止めの飲み薬や湿布などと比べても「最強の痛み止め」と言えます。あらゆる薬やシップなどよりも炎症を抑え、痛みを取り除く効果が高いため、今までの痛みが嘘のように緩和するケースもあります。しかし、ステロイド注射は炎症を抑えている部位にピンポイントに注射をしなくてはならず、注射の部位がズレるとあまり痛みが緩和しなかったり、楽になったけどすぐに痛みが戻ってしまう事もあります。
ステロイド注射では根本治療にはならず、返って副作用で苦しむ可能性もある。
ステロイド注射はたんぱく質分解作用があるため腱や靭帯をもろくしてしまう副作用があります。そのため何度も使用すると膝周りの腱や靭帯はもろくなり、スポーツをするたびに膝に負担がかかりやすくなり、治療をしても治りづらい膝になってしまいます。そのため、ステロイド注射は1年間に2回程度しか使用しない方がよいのですが、痛みが戻ってしまうと1か月に1回くらいのペースでステロイド注射を打つ医師もいます。これはとても危険なことなので絶対におこなわないほうがよいでしょう。
鵞足炎の根本原因は膝内側の腱が炎症を起こしていることが悪いわけでゃなく、スポーツや歩く際に膝の内側に負担のかかる動きになってしまっていることが原因です。体の連動性が欠けることで、運動時に膝の内側に負担がかかったり、体の関節のゆがみにより膝の内側に負担がかかった結果、鵞足炎になります。そのため、いくら強い消炎鎮痛効果のあるステロイド注射を打っても膝内側に負担のかかる動きを改善しない限り再び痛みが再発してしまう可能性が高いです。再び痛みが出るたびにステロイド注射を打っていると上記でも説明したように注射を打った部分の腱や靭帯、筋肉は弱くなってしまうので、弱くなってしまった腱、靭帯、筋肉に負担のかかる動きをしているとさらに治りづらい膝内側の痛みになってしまいます。