膝内側の痛みが半月板損傷である可能性は?
半月板損傷による痛みは膝内側ではなく裏側にでる。
「内側半月板」に損傷があると膝内側が痛みそうな気がしますが、半月板損傷の痛みの場合は膝の裏側が痛くなります。痛む場所が膝内側の内側半月板部分だとしても半月板が原因ではない可能性が高いと言われています。整形外科を受診し、膝内側に痛みを訴えMRI検査をし、画像上半月板に損傷が見られると「半月板損傷」と診断されます。その診断自体は決して間違えではないのですが、画像上半月板が損傷していても膝内側の痛みの原因ではない可能性が高いです。
膝に痛みを感じない人の膝のMRI画像と撮っても半月板に損傷がみられた人たちが多数いたという研究データもあり、画像上半月板に損傷があれば膝の痛みがでるというわけではないのです。
膝内側の痛みの原因は内側半月板が原因ではなく鵞足や膝蓋下脂肪体や膝蓋骨の動きの悪さ、内側広筋の問題などがあげれれます。
膝の裏も痛く、膝内側も痛い場合は半月板による痛みにプラスしてその他の部位も痛めている可能性が高いです。膝内側のみ痛いのに半月板に損傷があるからといって手術をおこなってしまうと半月板以外の膝蓋下脂肪体などに損傷をきたす可能性があり、返って膝内側の痛みを引き起こす可能性もあります。画像だけの診断で手術適応と決めるのはかなりリスクがあります。逆に言えば画像だけで手術と診断する医師の所では手術をしないほうが良いでしょう。
半月板損傷の多くは手術をしなくても回復することができます。手術した方がよいかどうかを判断するには膝を過伸展(逆九の字)状態にした時に膝裏に痛みが出る場合は手術適応になる可能性が高いです。
現在、膝内側に痛みを訴え、MRI画像上半月板損傷と診断されても他の部位を改善する治療を行えば膝の痛みからは解放される可能性も十分あります。膝内側が痛く半月板損傷と診断されている人は現在受診している以外の医療機関などで診察をしてもらうと良いかもしれません。