膝内側の痛みは膝のみを診ていても治らない
これらの中でも50代以降の方には変形性膝関節症の罹患率が多く、スポーツをしている方には鵞足炎や内側半月板損傷の罹患率が多いです。変形性膝関節症の治療として整形外科でおこなわれるのは湿布や痛み止めの服用などの薬物療法やヒアルロン酸注射、日常生活にかなりの支障が起こる場合は人工関節置換術をおこなうこともあります。鵞足炎、内側半月板損傷に対する治療は消炎鎮痛を目的に湿布や痛み止めの服用、リハビリテーションなどがおこなわれます。
膝内側の痛みを患っている方はご自分でもセルフケアなどをおこない一日でも早く痛みから改善しようと努力する方も多く見受けられます。筋力トレーニングやストレッチ、ツボ押しやマッサージなどインターネットでも様々なセルフケアが紹介されています。
真面目な方は毎日しっかりとセルフケアをおこなう方もいらっしゃいますが思うように膝内側の痛みが改善しないことがあります。
「その場は良いのだが運動すると痛みが戻ってしまう」
「その場は良いのだが歩いていると徐々に痛みが増してくる」
などという経験があるのではないでしょうか?
膝の内側が痛いので膝に毎日湿布を貼っている。膝内側の痛みに効くセルフケアを毎日おこなっている。このような生活を送っていても膝内側の痛みが治らないのは痛みの原因が膝内側にないことがあります。
膝内側が痛いのに膝の内側に原因がないというのはどうゆう事でしょうか?
膝の内側に負担のかかる体幹の位置が原因
膝内側の痛みを訴える原因として体幹の位置がとても重要になってきます。交通事故やスポーツ時のコンタクト以外で膝に痛みを訴える場合、ほとんどの場合が膝の内側に負担のかかる動きを何度も繰り返すことで膝の組織が損傷されて痛みとして感じます。軟骨が変形してしまったり、鵞足に炎症が起きたり、半月板が損傷してしまうのはそれらの部位に負担のかかる動きになってしまうのが原因です。
では膝内側に負担のかかる動きになってしまうのはなぜでしょうか?
その一つの原因として「体幹のゆがみ」があげられます。体幹は体の中でとても重い部分です。この重い体幹を二本の足で支えているのが人間です。他の動物はほとんどが4本足ですよね。体幹にゆがみがない状態で歩く、走ることができれば膝関節にかかる負担は最小限ですみます。しかし、体幹が左右、前後、回旋などのゆがみがあるとどちらか一方の足に体重がかかることになり、極端に膝の内側に負担のかかった歩き方、走り方になる方は膝内側に痛みを訴えるようになります。
。
体幹がゆがんでいてもすぐに痛みにはなりません。膝内側に負担のかかるゆがみかたのまま運動を続けていたり、何十年も歩いていたりすることで膝内側の組織が損傷してきて膝内側に痛みを訴えるようになります。
例えばご自分の右肩を極端に下げて歩いてみてください。その状態で歩くと左右の足にかかる体重に違いがあることを感じられることでしょう。これは極端な例ですが、ご自分で気づかない体幹のゆがみが毎日の生活の中で膝内側に負担をかけている可能性は十分にあります。
まずは鏡の前に直立で立ってご自分の肩の高さの左右差や前後の位置などを確かめてみましょう。この時に左右差がある方は体幹のゆがみが原因で膝内側に負担をかけ痛みを起こしている可能性があります。静止状態での立位でゆがみがなくても歩いたり走ったりすると体幹のゆがみを起こす方もいるのでスマホの動画撮影などでご自分の動きを一度チェックしてみるのも良いでしょう。