膝内側の痛みに筋トレは効果あり?
膝の内側を痛める疾患としては中高年以降に多発する変形性膝関節症の他、鵞足炎(がそくえん)や鵞足滑液包炎、内側半月板損傷、内側側副靭帯損傷、膝蓋下脂肪体による痛み、タナ障害など様々あります。膝内側の痛みの原因は様々ありますがこれらの痛みに対して「筋力不足が原因」と考え筋トレをおこなう人がいらっしゃいます。
変形性膝関節症は老化による膝の痛みのためそれ以外の膝内側の痛みに筋トレは効果があるのでしょうか?
筋力不足で膝内側の痛みを訴えることはほとんどない
変形性膝関節症以外の膝内側の痛める疾患で多いのは鵞足炎(がそくえん)です。内側側副靭帯損傷は外傷性の疾患で普段の生活で痛めることはまれです。多くはスポーツを行っている際に痛めることが多いです。膝に痛みがでたらリハビリとして筋トレをおこなう場合がありますが、鵞足炎をはじめ多くの膝内側に痛みをでる疾患は筋力不足でおこることはほとんどありません。現在膝内側に痛みを訴えていて運動を行っている方はまわりの運動をしている仲間を見てください。ご自分が極端に筋力不足でないことに気づくことでしょう。それなのにも関わらず筋トレをしても膝内側の痛みの根本治療にはなりません。たまに筋トレをすることで膝内側の痛みが和らぐ方がいますが、これは筋力不足が原因ではなく、筋トレをすることで膝内側周辺の血流が良くなったり、今まで使えていなかった筋肉がうまく使えるようになったりするためです。
筋力が上がったから痛みが改善したわけではありません。
筋トレをするより膝内側に負担のかかる動き、ゆがみを改善することが根本改善につながる
膝内側に痛みを訴える原因は膝の内側に負担のかかる動きになってしまうのが原因です。その動きになってしまう原因を改善しない限り再び痛みを引き起こしてしまう可能性が高いです。
シップを貼って一過性に痛みが改善しても運動をすると再び痛みが再発するというのは動きやゆがみが原因で膝内側に常に負荷がかかるからです。
膝内側に負担のかかる動きになる原因は
・普段の不良姿勢(猫背やそり腰)
・骨盤のゆがみ
・足根骨のゆがみ(過去の捻挫などが原因でゆがむ)
・筋肉の硬化
・動きの癖
などがあげられます。
これらを改善しないと再び膝内側に負担のかかる動きになってしまうため、筋トレをしても膝内側の痛みの改善にはつながりません。
ご自分の膝の痛みが筋力不足が原因ではないことはご理解いただけたと思います。
どの部位が痛んでいるのかにフォーカスすることが多いですが、膝内側の組織になぜ負担がかかってしまうかを考えるほうが重要です。そしてその組織に負担のかかってしまう原因をとりのぞくことが膝内側の痛みを改善につながります。