膝内側の痛み(鵞足炎)のセルフケア・筋肉をゴリゴリマッサージするのは良い?
ランナーやスポーツをしている人に多く発症する膝内側の痛みである鵞足炎(がそくえん)。膝内側の痛みで走ることが続けられなくなったり、スポーツを続けることができなくなってしまうとスポーツ愛好家の人たちにとってはとてもストレスを溜めることになります。
人間は本来動物であるため、適度な運動をおこなっていたほうが自律神経のバランス、ホルモンバランスも整うため、心身ともに健康を保つことができます。膝の痛みでスポーツを中止してしまうと心身ともに体には悪影響を及ぼすことになります。
スポーツ愛好家の人たちは一日でも早く膝の痛みを改善しようと考えることでしょう。その中で様々なセルフケアをインターネットや本などで調べておこなっている人は多数いらっしゃいます。鵞足炎(がそくえん)は太ももの前の筋肉(縫工筋・ほうこうきん)と太ももの内側の筋肉(薄筋・はっきん)太ももの後ろの筋肉(半腱様筋・はんけんようきん)が緊張し、膝内側を通る部分で摩擦が起きて痛みが起こると言われています。
ではその筋肉をゴリゴリマッサージして緩めれば良いのでは?
そのように考える方もいることでしょう。実際に整骨院などに行くと鵞足炎(がそくえん)に関係する縫工筋、薄筋、半腱様筋をゴリゴリとマッサージする院もあります。膝内側の痛み(鵞鳥炎)のセルフケアとしてゴリゴリと強めのマッサージをするのは良いことでしょうか?
マッサージをして返って症状が悪化することもあり
「痛くても強くゴリゴリマッサージをすればその先には痛みがなくなった未来が~」などと考えて強めのマッサージをおこなっている方がいるのではないでしょうか?特にランナーの方は辛い長距離を走った先に味わえる達成感を知っているため、痛いマッサージの先には良いことが待っているのではとついつい考えてしまいがちです。しかし、強めのマッサージが返って膝内側の痛みを悪化させてしまう事もあります。
縫工筋、薄筋、半腱様筋が緊張してしまうのには大きく分けて2つあります。
一つは運動のやり過ぎにより疲労物質、老廃物が溜まって筋肉が硬くなっている状態です。この時にはマッサージをすることで膝の痛みが改善することがあります。ゴリゴリマッサージをして膝内側の痛みが和らいだという方は筋肉に疲労物質、老廃物が溜まっていたのが原因でしょう。
もう一つは骨格の歪みが原因で筋肉に緊張がおこっている場合です。実はこちらのほうが非常に多いです。多くの方が両膝に痛みを感じるというより片脚から痛みが発症する方のほうが多いです。それは骨格の歪みにより左右のバランスがアンバランスだからです。
立った時に足の土台となる足根骨(そっこんこつ)に歪みがあったり、骨盤に歪みがあると立つ・歩く・走る際に身体に不安定さがでます。しかしこの不安定さは本人には自覚しません。なぜかと言うと不安定さを改善するために筋肉が緊張し安定させようとします。そのため不安定さは感じないのですが、筋肉が必要以上に緊張しているなか運動をすると疲労物質、老廃物は溜まりやすくなり、膝内側の痛みにつながります。
足根骨や骨盤がゆがんでいる状態で太もも周辺の筋肉を強い刺激でマッサージしてしまうと一時的に緩むため痛みは改善したように思いますが、歪みによる不安定な状態は改善されていないため緩んだ場所にさらに負担が増すようになり結果的に膝内側の痛みを悪化させてしまうことになります。
せっかく早くよくするためにおこなったセルフケアが返って症状を悪化させてしまうことがあります。ご自分で努力しようとするお気持ちはとても素晴らしいことですが、膝内側の痛みの根本原因を考えずゴリゴリとマッサージをしてしまうのは非常に危険であるためまずは専門の医療機関を受診し、どのようなセルフケアがご自分に合っているのかを聞いてからおこなうことをお勧めいたします。