膝の治療をしていてもなかなか改善しない理由は?

スポーツ選手やスポーツ愛好家の人たちの中には膝の痛みでスポーツを休まなければいけなくなってしまう人たちもたくさん見受けられます。発症当初は膝の痛みをかばいながらスポーツを続けていてもやがて痛みは増してきて、高いパフォーマンスを発揮できなくなることもあることでしょう。
少しでも早く競技復帰したいため、様々な治療やセルフケアを一生懸命取り組む方々は多くいらっしゃいます。しかし、膝の治療をしていてもなかなか思うように膝の痛みが改善しないケースもあります。
膝の治療をしてもなかなか改善しない理由とはいったい何なのでしょうか?

膝ばかりにフォーカスして治療をしていても改善しないケースがある

膝の痛みを改善しようと、膝にシップを貼ったりアイシングをしたり、温熱療法をしたり、効くと言われるテープを貼ったりなどなど膝の痛い部分にだけ治療をしていても痛みから改善しないケースがあります。
膝の治療を入念にしても膝の痛みが改善しない場合は膝に原因はなく膝とは離れた部位が膝痛の根本原因となっていることもあります。
足の骨である足根骨や股関節、体幹のゆがみなど原因は様々です。

スクインティングパテラをチェックしてみる

膝が痛く、膝周辺の治療やセルフケアをしても改善しない方は、「スクインティングパテラ」がないかをチェックしてみる必要があります。
スクイングパテラとは足を揃えて「気をつけ」をした際に、通常なら膝のお皿(膝蓋骨)はつま先の方向を向くので正面から見るとまっすぐ向いているようにみえます。
しかし、足を揃えて気をつけをした状態でも膝のお皿がつま先方向に向かず、内側を向いてしまうことがあります。「にらめっこ膝」と言われることもあり、膝のお皿同士が向き合っている形になります。この状態を「スクインティングパテラ」と言います。

スクインティングパテラは膝のお皿の骨(膝蓋骨)が悪いのではなく、股関節が極端に内側に回旋している(内旋)していることが原因です。なぜスクインティングパテラになってしまうかというと子供のころからトンビ座り(正座の姿勢で膝から下を外側にだす座り方)を続けていると股関節の前捻角という角度が大きくなってしまい、股関節が内側に回旋した(内旋)形になってしまいます。

スクイングパテラになると太ももの骨は内側を向いているので、スネの骨(脛骨)は太ももの骨に比べて外側に回旋している形となり、膝の部分で捻じれが生じることになり、通常よりも膝に負担のかかる関節位置になってしまいます。
スクインティングパテラの場合、いくら膝周辺に起きた炎症を抑えるためにシップなどを貼っていても、膝に負担のかかる関節位置を正さない限り再び痛みが戻ってしまいます。

なかなか膝の治療をしても改善しない方は、鏡の前で一度足を揃えて気をつけの姿勢で立ってみてお皿の骨が内側に向いていないかチェックしてみると良いでしょう。

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