変形性膝関節症の進行を防ぐために自分でできることは?
自分の膝関節(ひざかんせつ)を人工関節に変える手術は多くの方が避けたいと考えることでしょう。変形性膝関節症は退行性病変と言われそのままほおっておくと悪化していってしまう疾患です。変形性膝関節症になっても手術を回避するためにご自分で行えることはあるのでしょうか?
一番重要なのは食事制限と体重コントロール
変形性膝関節症を患っている方の多くは過体重の方が多いです。仮に体重が平均よりも太っている方はできるだけ痩せたほうが良いです。これは整形外科へ行っても言われることだと思いますが体重を落とすことで膝へかかる負担は大きく減らすことができます。歩行時に膝にかかる体重の負荷は体重×2.8倍と言われています。
階段を昇るときは体重×4倍
階段を降りるときは体重×6倍
と言われています。
歩行、階段昇降は日常生活でおこなう動作です。かりに50キロの人が日常生活でかかる体重の負荷は
歩行時 140キロ
階段昇り 200キロ
階段降り 300キロ
の負荷がかかります。
これが60キロになると
歩行時 168キロ
階段昇り 240キロ
階段下り 360キロ
になります。
50キロと60キロの人では歩行時に膝にかかる体重の負荷が24キロも違うのです。
わかりやすく考えると2リットルのペットボトルを12本もって歩いていると思ってください。12本もって歩くことを考えると、歩くのも大変であることが想像できます。50キロと60キロの人では歩いている際に2リットルペットボトルを12本持っている人と持っていない人くらい膝にかかる負荷が違うのです。過体重がどれほど膝に負担がかかるかは想像できるでしょう。
まずは3キロ痩せることで膝への負荷が減り症状の軽快がみられるという医師も多く、まずは3キロ痩せることを目指しましょう。
「だけど膝が痛くて運動できないし、痩せられない・・・」
と考える方がいらっしゃると思います。
運動ができないとしても痩せることは可能です。もう一度ご自分の食生活を見直してみましょう。
朝食
朝食を摂らないといけないと考えている人がいますが朝食を抜いてしまっても平気です。よく朝食を摂らないと「頭が働かない」とか言われますがそんなことはありません。人間の体は元々飢餓に強い体になっているので朝食を摂らなくても頭や体が働くということはありません。むしろ1日3食摂らないで朝を抜くことで内臓が働かなくて良い時間ができます。内臓を休ませることは体にとってもとても重要であり、1日2食を推奨する医師が増えてきています。私自身も朝食は食べません。朝数キロランニングをして9時に出勤13時まで仕事をしますが、その間水以外は何も取りません。朝食を摂らないようになってからのほうが体は軽くなり、以前は午前中眠い時もありましたが今はそのようなことはなくなりました。
朝食をどうしても摂りたいという方
・フルーツをたくさん摂っていないか?
フルーツは体に良いと思ってたくさん摂る方がいますがフルーツは果糖で「糖」の一種です。血糖値を急激に上げますので太りやすい体質になります。
・ヨーグルトに砂糖、ハチミツなどをかけていないか?
乳製品も健康食品だと思い摂取しているひとが多く見受けられます。ヨーグルトを摂取するときに砂糖やハチミツなどで味をつける方が多いのではないでしょうか?これらの糖も血糖値を急激に上げるため太りやすい体質を作ります。
・パン食ではないか?
パンはご飯よりも太りやすいです。パン食ではなくご飯にしたほうが良いです。
理想をいうならば食べないこと。どうしても食べたい場合はご飯(理想をいえば玄米)とみそ汁で充分栄養が摂れます。(白米のみだとたりないので発芽玄米が理想です)
乳製品やフルーツは食べる必要はありません。単純に考えてみてください。江戸時代、毎日数十キロ走っていた飛脚はヨーグルトやフルーツを食べていたでしょうか?日本古来の食べ物で充分なのです。
間食
間食をしている方が非常に多く見受けられます。そんなに多く摂っていないと思いがちですがお茶を飲んだ時にお煎餅や甘いものを摂っていないでしょうか?少しだからといって摂っている方がいると思います。ちりも積もれば山となります。お茶を飲む際にお茶菓子を食べている人はやめましょう。昼食
昼食を簡易的に済ますためにパン食にする方がいらっしゃいますが、パンはご飯食に比べ栄養価も低く、太りやすい体質を作ります。パンではなくご飯食にするようにしましょう。夕飯
夕飯はご飯の方が多いと思います。あまりに食事制限をしてしまうと人生の楽しさも減ってしまいますので夕食はあるていど好きなものを食べましょう。しかし、デザートなどは禁物です。砂糖などの甘いものは太りやすいことはよくわかると思いますし、膝にとって良いことは一つもありません。食生活を気にしないといくら高額なサプリメントを摂っても意味がない
上記の記事をご覧になって「ガクーン」ときた方がいるかもしれません。「私の楽しみがなくなってしまう・・・」などとお考えの方がいるかもしれません。ただ、この先膝が痛くなって歩くことができなくなってしまうともっと楽しみは減ってしまいます。
上記にあげたお菓子やフルーツ、乳製品にかける砂糖などは「糖」です。糖が多い方はわかりやすくいうと血液が砂糖水のようにベタベタした状態です。血管は関節などに栄養を与えますが、最後は毛細血管(もうさいけっかん)というとても細い血管になります。ベタベタした血液は毛細血管をスムーズに通ることができません。
仮にサプリメントが膝痛に効くとしてもベタベタ血液で毛細血管をスムーズに行き来できなければサプリメント成分は膝に届きません。
体の組織は血液が老廃物を流し、栄養を持ってきてくれます。そのため血液循環は常に良好な状態である必要があります。
そのためにもできる限り甘い物を摂取することをやめたりすることにより変形性膝関節症の症状悪化は変わってきます。
多くの方が筋トレやセルフケアに気持ちが行きがちですが、食生活もとても重要です。
もう一度ご自分の食生活を見直して体重コントロール、栄養摂取を考え直してみることで現在感じている痛みが和らぐ可能性は十分にあります。