変形性膝関節症の痛みと関連深い膝蓋下脂肪体とは?
膝蓋下脂肪体とは?
膝蓋下脂肪体とは膝のお皿の下から後ろにかけて存在する脂肪組織です。膝のクッション作用としている組織です。今まではあまり膝の痛みに対して膝蓋下脂肪体が原因とは考えられてきませんでしたが、膝蓋下脂肪体には痛みを感じる受容器(痛覚)がとても多く存在し、多くの膝痛の原因が膝蓋下脂肪体が原因であると考えられるようになってきました。膝蓋下脂肪体に痛みが出やすい人はどんな人?
膝蓋下脂肪体に痛みを起こしやすい人は膝蓋骨(お皿の骨)の直径よりも脛骨粗面(スネの骨の真ん中の膨らみ)が外側または内側にねじれて出てしまっている方に多く見受けられます。仰向けに寝て膝を伸ばした状態でご自分のお皿の幅を調べてペンで線を書いてみてください。その線の幅にスネの骨の真ん中の少し膨らんだ部分(脛骨粗面)がおさまっていなければ膝蓋下脂肪体に負担のかかる捻じれが起きている状態です。
皆さんはお皿の骨がけっこう大きな骨だと感じていますが実際は小さな骨です。まずお皿を触りながら膝を曲げ伸ばししてお皿の直径をしっかりと把握するのがポイントです。
膝蓋下脂肪体による膝痛かな?という方は下記の検査をしてみてください
脛骨粗面がお皿の直径よりも捻じれていた方は現在感じている膝痛が膝蓋下脂肪体による膝痛である可能性が高いです。しかし、膝のねじれのみでは膝蓋下脂肪体が原因の膝痛であるかという判断は難しいため下記の検査をおこなってください。①膝を伸ばした状態でお皿の下の圧痛を確認してください。膝蓋下脂肪体が原因である場合は圧痛がでます。
②膝を伸ばした状態で圧痛があった場合、圧痛部位に指を置いたまま膝を曲げてください。その状態で再び圧痛があるかを確認します。膝蓋下脂肪体は膝を伸ばした状態の時は表面にでてきますが、膝を曲げると奥に移動するため曲げた状態だと圧痛は出現しません。
膝を伸ばした状態で圧痛はあるが曲げた状態だと圧痛がなくなるという場合は膝蓋下脂肪体が原因の膝痛である可能性が高いです。
変形性膝関節症と診断されても膝の痛みの根本原因が膝蓋下脂肪体である場合、脛骨の捻じれをとり、脂肪体の動きをよくしてあげることで膝の痛みから解放されることがあります。膝蓋下脂肪体に起きている炎症をシップやアイシングで治めても脛骨の捻じれを治さない限り再び膝に負担のかかる生活(脛骨がねじれていれば歩くだけでも膝に負担がかかります)を送っていると痛みが再び起こります。膝蓋下脂肪体の炎症を取り除くことを考えるより、なぜ膝蓋下脂肪体に負担がかかってしまったのかを考え、それを改善する治療をおこなうことが一番重要です。