変形性膝関節症にサポーターはした方がよい?

中高年以降の膝痛に多く発症する変形性膝関節症。初期には歩きだしに痛みがある程度ですが、症状が進行すると歩くのが困難なほど痛みが強くなることもあり、最終的には人工関節置換術という手術適応になる疾患です。変形性膝関節症の方は少しでも痛みを改善したいと考えるでしょう。
膝の痛みに効果があると言われているサポーターは行ったほうが良いのでしょうか?

圧縮力の強いサポーターはお勧めしない

膝のサポーターの中でも圧縮力の強い(締め付け間の強い)サポーターはお勧めしません。圧縮力の強いサポーターをするとなんとなく痛みは和らぐような感じがしたり、安定した感じがしたりします。膝に負担を減らしているように感じますが、圧縮力の強いサポーターをしていると膝周りの血液循環が悪くなってしまうため、膝関節周りの栄養供給も悪くなります。人間の体は血液が老廃物を流し、栄養ある成分を運んで組織を修復します。なので血液循環が悪いと老廃物も溜まったままで栄養も膝関節に届かなくなってしまうため変形性膝関節症の改善にはつながりません。
圧縮性の強いサポーターをして少し楽になるのはサポーターによって触圧覚を刺激しているからです。人間の体は痛みを感じる痛覚と触られたと感じる触圧覚、温度を感じる温度覚などがあります。
「膝が痛い」と感じている時は痛覚が刺激されて脳に「痛い」という信号が送られ、脳が痛いと感じます。サポーターをすると触圧覚を刺激し「圧迫されている」という信号が脳に伝わります。痛覚の刺激よりも触圧覚の刺激のほうが脳に早く伝わるため、触圧覚を持続的に刺激していると痛みは少し和らいだ感じがします。圧縮性の強いサポーターは触圧覚を刺激するためなんとなく膝の痛みが和らいだような感じがしますがこれは変形性膝関節症の痛みが改善しているわけではないのです。
「痛い」という感覚を紛らわしているだけで、膝周りの血液循環を悪くしてしまうので圧縮性の強いサポーターはおこなわないほうが良いでしょう。

圧縮性の弱いサポーターは保温という意味でおこなうのはお勧め

圧縮性の弱いサポーターは膝を冷やさないという意味で使用することは良いでしょう。変形性膝関節症の場合、膝周りを冷やさない方が良いです。温めて血液循環を促した方がよいですが、夏場は冷房で冷えやすく、冬場は寒くて冷えやすいと常に冷えによる影響を受けます。特に現代社会では冷房による冷えの影響が変形性膝関節症に悪い影響を及ぼすため夏場には必ず圧縮性の弱いサポーターで膝を冷やさないように気をつけることをお勧めいたします。

サポーターをすることで痛みが改善する、変形性膝関節症が治るということはありません。これは様々な成分がサポーターに入っていても同じです。高級なサポーターでもそれまでの効果はないでしょう。サポーターはあくまで「膝の保温」という目的でおこなうため高級なサポーターである必要はないです。

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