膝の内側の膨らみは何?

老化が原因とされる変形性膝関節症ですが、膝を伸ばした状態にすると膝の内側にボコッと膨らんでいる部分が出てくる人もいます。ボコッと膨らんだ組織は一体何なのでしょうか?

内側の膨らみは膝蓋下脂肪体

変形性膝関節症の方が膝の内側にボコッと膨らみができるのは膝蓋下脂肪体という組織が膝の内側にでてきてしまうからです。膝蓋下脂肪体は膝のクッションの役割をしており膝のお皿の裏側から膝蓋靭帯(しつがいじんたいの)にある裏側ある組織です。通常の膝の場合、膝の曲げ伸ばしすることで膝蓋下脂肪体がスムーズに動きます。変形性膝関節症の方はスネの骨(脛骨)が外側へ捻じれる(下腿外旋)ことで膝蓋下脂肪体の通り道が狭まってしまうことになります。かつO脚になるので膝蓋下脂肪体は膝の内側に集まるようになります。その結果、膝の内側に出てきて膨らんできます。膝蓋下脂肪体は痛みを感じる受容器(痛覚)がとても多い組織であるため膝の内側が膨らんだ部分が痛んできます。

膝の内側の膨らみにシップを貼っても効果なし

膝の内側の膨らみは膝蓋下脂肪体です。そのためシップを貼って膝蓋下脂肪体の炎症を抑えても脂肪体が元の位置に戻るわけではありません。まずはスネの骨(脛骨)の外側への捻じれ(外旋)を戻して膝蓋下脂肪体を元の位置に誘導しなければ膝蓋下脂肪体は膝の内側にあるままなので膝の痛みは改善しません。
変形性膝関節症と診断されても膝蓋下脂肪体の痛みであることが多いので変形が治らなくても痛みが大きく和らぐことがあります。
膝の内側が膨らんでいるから腫れている=炎症があるからシップを貼るということをしている方がいますが、シップを貼っても痛みが改善しなかったり、根本原因を取り除けないことを頭に入れておきましょう。

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