変形性膝関節症の方が夏場に絶対してはいけないこととは?
中高年以降の方で、「変形性膝関節症」と診断され、膝の痛みで日々の生活に支障をきたしている方が増えています。女性に多い疾患ですが、重症患者では人工関節の手術適応になる場合もあります。痛みを感じ始めてから早期に治療やリハビリをおこなうことで、痛みの改善や手術の回避は可能です。
しかし、変形性膝関節症を訴えている方が、夏場に気をつけないといけないことがあります。実は日々の何気ない生活の中で返ってご自分で症状を悪化させてしまっている可能性があります。
就寝時のエアコンは症状を悪化させる要因に!
本格的な夏到来とともに、熱くて寝苦しい日々が続いています。「エアコンをつけないと寝れない」という方も多いと思います。しかし、エアコンを入れて寝ると足はとても冷えるため、膝の血液循環は悪くなり、変形性膝関節症を治りずらくさせている可能性が高いです。人間は本来眠っている時に回復する生き物です。寝ている時に自然治癒力が高まり、痛めている膝などの部位を治そうとします。しかし、エアコンを入れて寝ていると、膝周りが冷えてしまい、血液循環が悪くなってしまいます。膝を治すための材料は血液が運んでくるため、血液循環が悪いと膝の治癒は起こりません。むしろ、冷えて痛みが更に悪化することもあります。朝起きがけが一番膝が痛いという方はエアコンが原因で膝が冷えている可能性があるので、十分注意が必要です。
更に悪化を招いている可能性のあるパジャマ
熱い熱いなるになるとパジャマも薄手のパジャマを着る方が多いと思います。短パンやハーフパンツで寝るという方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、膝を含め足に痛みを訴える方は絶対に短パン、ハーフパンツをはいて寝るのはやめてください。エアコンの所でも書きましたが、足が冷えて治りが悪くなります。「エアコンをつけたままハーフパンツで寝る」これは自ら膝を痛めるようにしているのと同じくらい膝に良くありません。仮にエアコンをつけなくても窓を開けて寝る場合は長ズボンを履くようにしてください。腕は心臓から近いため、あまり冷えてしまうことはありませんが、足は心臓から離れていますし、膝は血管の少ない関節であるため、とても冷えやすく、冷えにより痛みを訴えやすい部位でもあります。夏場、暑いからと言ってエアコン、短パンでご自分の膝をさらに悪化させないようにくれぐれも気を付けてください。睡眠時はとても重要
人間は睡眠時に回復する生き物です。ですからいかに睡眠中に回復を促せるかで痛みの緩和ができるかも変わってきます。就寝時により効率的に治癒力を高めたい場合は寝る前にお風呂に入ることです。ほとんどの方が寝る前にお風呂に入ると思いますが、ポイントは寝る直前に入ることです。お風呂に入ってから、テレビを見る、パソコンをいじる、スマホを見るなどをおこなうとお風呂で血液循環が良くなったのにまた通常の状態に戻ってしまいます。お風呂に入ってすぐに寝ることで血液循環が良い状態で、体が回復に向かう副交感神経優位状態になります。この状態で就寝できると深い眠りにつき、体の回復も促進されます。「変形性膝関節症で困っているけどエアコンをつけないと寝れない!!」と言う方は必ず長ズボンで寝ることと柔らかめのサポーター(締め付けない程度のもの)を膝につけて寝て下さい。サポーターは締め付けが強いものだと返って血液循環が悪くなるので、締め付けの弱い保温性のあるものを使用して下さい。