捻挫(ねんざ)に湿布(シップ)は効果がある?
風邪薬や胃薬の様に湿布(経皮吸収型鎮痛消炎剤)を常備薬として持っている方も多いのではないでしょうか。湿布(シップ)は身近な医薬品で江戸時代から使われていると言われています。冷感タイプだけでなく、温熱タイプや様々な鎮痛成分の含まれた湿布もあります。これらの湿布は捻挫に対して効果があるのでしょうか?
湿布(シップ)で炎症を冷ます効果はない!?
貼った時のヒンヤリした感じや安心感などの精神的な効果は別として、効果は極めて低いです。湿布を貼った時に感じるヒンヤリ感はメントール成分の影響で、この成分自体炎症を起こしている所を冷ます効果はほとんどありません。極端な話、シップをホットコーヒーに貼ってもコーヒーは冷たくなりませんよね。
湿布を貼って、数日後に痛みが引いたと言うのは、湿布を貼った事よりも身体が自然と治そうとする「自然治癒力」で良くなっている事です。冷やす事をするのであれば、氷や水道水の流水にあてたりした方が、冷やす事が出来ます。しかし、最近の研究によると、アイシングより温めたほうが漫性痛に移行せず早期に治癒が可能という研究結果も発表されています。
この様に捻挫(ねんざ)に対して湿布に期待できる効果は極めて低いです。
湿布(シップ)にも副作用がある?
湿布は簡単に貼る事ができますが、強い副作用を持つ成分も含まれているので注意が必要です。皮膚から成分が体内に入り鎮痛成分の血中濃度が高くなります。皮膚のかぶれだけでなく、アレルギー症状や命に関わる事もあると言われています。今の湿布は昔の湿布の膏薬が含まれた物とは違い、強力な消炎鎮痛剤が含まれている事が特徴です。薬を飲む様に湿布を貼るのも細心の注意が欠かせません。
この様に本人が期待する効果と現実に起こる現象に大きな違いがあります。湿布は様々な錯覚を生みだし、症状の問題解決の先延ばしにつながります。病院での湿布の処方について見直されている所もあります。それだけ湿布に含まれる薬品(消炎鎮痛剤等)が人体に及ぼす影響が懸念されている証拠です。様々な薬品を知らない間に体内に入れてしまう環境で、健康被害も増えています。
人間は本来「自然治癒力」を持っています。捻挫(ねんざ)を早期治すには自然治癒力を高めることが第一です。自然治癒力を高めるには血液循環を良くすること、睡眠をしっかりとることが大事です。
血液循環を良くするには温めたほうが良いです。多少痛みが強くなっても温めることで自然治癒力が高まり、結果的に早期に回復することが期待できます。