腸脛靭帯炎、手術になるケースは?
膝の使い過ぎやランニングフォームによっておこる腸脛靭帯炎。投薬や、リハビリなどの保存療法が一般的ですが中には手術になるケースもあります。腸脛靭帯炎で手術になるのはどういった場合なのでしょうか。また、希望すれば手術療法に切り替えてもらうことはできるのでしょうか?
腸脛靭帯炎の手術とは?
腸脛靭帯炎はなかなか治らない膝の痛みと言われていますが、手術適応になるのはごくまれです。半月板損傷のように「この部分の組織にキズがあるからその部分を縫う」など明確な画像異常がある場合は手術をする対象になりますが、腸脛靭帯炎の場合は膝外側あたりに炎症反応が見られるものの、組織そのものに画像異常が見られるケースはないため、手術適応になるのはごくまれです。
一体どのようなケースで手術適応になるのでしょうか。
一般的に腸脛靭帯炎の治療は安静にすることが第一といわれています。しばらく休養したり、アイシング、湿布薬、内服薬などを使用したりして炎症を抑えます。その他電気治療や超音波治療などを行うこともあります。
ただし、これらは痛みを取るだけの治療ですので根本的な解決にはなりません。腸脛靭帯炎になった原因をさぐり、ランニングフォームを変える、などによって再発を防ぎます。
ですが、こういった保存治療を行っても症状が改善されない場合に、整形外科では手術を行うことがあります。手術内容はステロイド注射を行ったり、腸脛靭帯を一部切り取ったりします。ただし、手術を行うのは極めてまれなケースで、手術例も少ないようです。あくまで、ほかの治療法がない場合と考えましょう。
希望すれば手術をうけることができる?
長年ランニングが日課になっている方は保存療法でなかなか改善しないでいると「今すぐ走りたい」ので手術をしたほうが回復が早いのではないかと考えるかもしれません。ですが、やはり手術を行うケースは少ないので、本人が希望しても受けさせてもらえない場合がほとんどのようです。手術例が少ないということは手術をしても期待できる効果が得られないのが現状です。
腸脛靭帯炎を早く完治させるには?
では、腸脛靭帯炎を早く完治させるにはどうしたらいいのでしょうか。一番は症状を悪化させないことですので、早めに治療を開始することです。走っていて膝に違和感を覚えたら無理して続けることはやめましょう。初期の場合は1,2回の治療でランニングを再開できるケースも多々あります。痛みを抑えて無理して走ったりすればどんどん状態は悪化していきます。そして結果的に長く休養しなくてはいけなくなってしまいます。
腸脛靭帯炎を早期に治す場合は現在の治療をもう一度見直してみてください。現在の治療法で痛みの改善がみられるようでしたらそのまま今の治療を続けることをお勧め致します。痛みの改善が見られない場合は腸脛靭帯炎の根本治療につながる治療であるかを一度見直しましょう。腸脛靭帯炎の根本原因は大腿筋膜張筋や大臀筋といったお尻周りの筋肉が硬くなって腸脛靭帯をひっぱってしまうことが原因です。そのため痛みを感じている膝の横だけに電気治療などをおこなっていても根本治療にはなりませんので、しっかりと根本原因である大腿筋膜張筋や大臀筋を緩ます治療をしてくれる治療院を見つける事をおすすめいたします。
また、腸脛靭帯炎と整形外科で診断されてもなかなか治らない場合は、腸脛靭帯炎のみの痛みではなく、外側半月板の痛みや外側側副靭帯の痛みであったり、仙腸関節のズレによる放散痛であったりします。
なかなか治らないケースは腸脛靭帯炎と決めつけず、様々な観点から膝外側にでている痛みの原因は何なのかを考え、根本原因を治療していくのが大切になります。
腸脛靭帯炎の根本治療で改善した患者様の声