ランナー膝の治療をしても改善しない膝外側の痛みとは?

近年のランニングブームに伴い、ランニングをしていて膝外側に痛みを訴える人がとても多く見受けられます。「日常生活では膝に痛みがないが走ると膝外側が痛む」このような症状を訴えるケースが多いです。整形外科を受診すると骨に異常がなくランニングをしている場合は腸脛靭帯炎(ランナー膝)と診断される可能性が高いです。腸脛靭帯炎(ランナー膝)を改善するために整形外科での治療や整骨院、鍼灸院に通ったがなかなか膝の痛みが改善しないという場合はランナー膝(腸脛靭帯炎)でない可能性があります。ランナー膝(腸脛靭帯炎)ではない膝外側の痛みとはどのようなものがあるのでしょうか?

膝の痛みに大きく関連する膝蓋下脂肪体

ランナー膝(腸脛靭帯炎)の治療をいくらしても改善しない場合は膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)が膝の痛みと関わっている可能性が高いです。膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)とはお皿の奥から下にある膝のクッションの役割をしている組織です。膝蓋下脂肪体は今まであまり膝痛の原因と考えられてきませんでしたが最近の医学では膝蓋下脂肪体には痛みを感じる受容器(痛覚)がとても多いことがわかり、膝の痛みの原因に大いに関連するといわれています。膝蓋下脂肪体はゼリーのように柔らかい組織なので膝を曲げる、伸ばす際に曲げた時は膝の奥に移動し、伸ばした時は膝の表面に移動してきます。膝蓋下脂肪体の動きが滑らかであれば膝の痛みとして出てこないのですが、膝蓋下脂肪体の移動がスムーズにおこなえないと膝に痛みを訴えます。膝の内側に痛みを訴えるケースと外側に痛みを訴えるケース、真ん中に痛みを訴えるケース、膝の上に痛みを訴えるケースなど膝蓋下脂肪体の移動がスムーズに行えない場所がどこかによって痛みを訴える場所も変わります。

膝蓋下脂肪体の流れはどのような時に悪くなる?

膝蓋下脂肪体は膝を曲げ伸ばしした際に動きます。下腿(膝から下の骨)が外旋(外側に捻じれる)してくると脂肪体の通り道が狭まり、スムーズに移動しなくなってきます。脂肪体がスムーズに動かないことで膝の痛みの原因となります。ランナー膝(腸脛靭帯炎)の主な原因は殿筋群(お尻の筋肉)が硬くなることで腸脛靭帯を引っ張って痛みを起こします。膝蓋下脂肪体による膝の痛みは下腿の外旋が問題であるため、膝の痛みの原因が全く違ってきます。そのため、膝外側の痛みが膝蓋下脂肪体が原因であるとランナー膝(腸脛靭帯炎)の治療を続けていても改善しません。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)の治療をしても痛みが改善しない場合は膝蓋下脂肪体が原因である可能性が高いです。この場合は下腿外旋を矯正する必要があります。足に詳しい治療院なら下腿の外旋を矯正し正すことは可能です。現在膝外側の痛みでランナー膝だと思っていたが改善に時間がかかっている人は一度足に詳しい専門の医療機関に相談してみると良いでしょう。

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