ランナー膝(腸脛靱帯炎)にアイシングは効果あり?

膝の外側に痛みを起こし、 ランナーを苦しませるランナー膝(腸脛靱帯炎)。ランニングを始めた人になりやすく、「初心者病」といわれることもありますが、シドニーオリンピック金メダリストの高橋尚子選手もランナー膝(腸脛靱帯炎)で苦しんだ時期があり、一概に初心者のみが患う疾患ではありません。トップアスリートから走り始めたばかりの方まで幅広く起こりうる疾患です。
1月2月はマラソン大会も多く練習量を増やしたら膝に痛みを感じるようになり、大会まで練習を積みたいのになかなか思うように走れないという方もいらっしゃると思います。
1日でも早くランナー膝(腸脛靱帯炎)を改善したいとどのランナーも考える事と思います。
「とにかく早く炎症を抑えよう」とアイシングを熱心におこなう方がいらっしゃると思います。ランナー膝(腸脛靱帯炎)に対してアイシングは効果があるのでしょうか?

ランナー膝(腸脛靱帯炎)にアイシングをしても根本治療にはならない

ランナー膝は通称であり医学的診断名は腸脛靱帯炎(ちょうけいじんたいえん)です。読んで字のごとく腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)が炎症を起こしているという診断であるため、まずは炎症を抑えようと一生懸命アイシングをする方がいらっしゃいます。

ランナー膝(腸脛靱帯炎)の症状の特徴としては日常生活では全く痛くないのに、走っている途中から走り終わった後に膝外側周辺に痛みが起こります。階段の降りる時に痛くて降りづらくなるなどの症状を引き起こします。

アイシングをするとランニング後の痛みは一旦おさまるでしょう。しかし、再び走ると痛みを引き起こします。
ランニング後にアイシングをしてもその場の痛みは改善しますが、ランナー膝(腸脛靱帯炎)による根本治療にはつながりません。

炎症=敵ではない

「痛みの原因は炎症だ!だから炎症を抑えろ!」とお考えの方が多いのではないでしょうか?炎症は敵ではありません。むしろとても良い反応なのです。炎症が起きなければ体の治癒は起こりません。
炎症は傷んだ組織に血液を集めて栄養分を運び、老廃物を流そうとする反応です。血液循環を良くするためには血管を拡張させる必要があります。血管を拡張し血液循環を良くして組織を治す栄養素を運び、傷んだ組織の老廃物を流します。血管を拡張するには「血管拡張物質(プロスタグランジン)」が体内に放出されます。血管拡張物質が体内に放出されると痛めた組織の部分は赤くなり、腫れて、痛みます。いわゆる「炎症」が起こります。

しかし、組織を治すために血管拡張物質はでているため、痛いからといって炎症を抑える目的でアイシングをすると組織の修復は遅れてしまいます。アイシングにより血管拡張物質の放出を防ぐとその場の痛みは和らぎますが、組織を修復する働きは働かなくなるため、再び走ると痛みを引き起こします。

アイシングをしてもランナー膝(腸脛靱帯炎)の改善にはつながらずむしろ慢性痛へと移行させてしまうことがあります。

ランナー膝(腸脛靱帯炎)を引き起こす要因としてお尻の筋肉(臀筋群)の硬さがあげられます。これらを緩ますためにもお風呂などにゆっくり浸かり筋肉の循環を良くしてあげたほうがランナー膝(腸脛靱帯炎)からの改善につながります。また、血液循環をよくするにはアイシングよりも温めてあげたほうが良いのでお風呂にゆっかり浸かることは痛めた組織の修復にも役に立ちます。ランナーの方はランステーションなどでシャワーで済ませてしまう事も多いと思いますが、必ず一日一回はお風呂に入る習慣をつけたほうがランナー膝(腸脛靱帯炎)の予防、改善につながるでしょう。

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