腸脛靭帯炎(ランナー膝)、整形外科ではどのような治療をする?
別名「ランナー膝」とも呼ばれる、腸脛靭帯炎。
ランニングやランニングの前後に膝の外側におこる痛みのことを言います。
治療は整形外科で行うのが一般的ですが、どのような治療をしてもらえるのでしょうか。
■整形外科での一般的な治療法
整形外科での一般的な治療法
まず、第一には安静にすることです。腸脛靭帯炎は、一般的には炎症により痛みが発生している状態といわれています。そのため整形外科では動かさないことが一番の治療になると考えるためランニングの中止、スポーツの中止を指示されます。軽度の場合はしばらく休むことで痛みは解消していきます。しかし、再び走るとまた痛む場合があります。
腸脛靭帯炎の場合、走ると膝の外側が痛むが日常生活を送っている段階では痛みが全くないという人もいるため、初期段階では痛みがでても多少無理をしてランニングを続けてしまうことが多いです。
その他にはアイシングをしたり、消炎鎮痛剤を処方されたりします。鎮痛剤はシップと内服薬を処方されることが多いです。すぐに効果を感じると思いますが、中止すると痛みや炎症は再発するため、根本的な治療にはなりません。 そのため、痛み止めの内服を飲むと痛みは和らぐため走っていると、根本的に治癒したわけではなく、ただ痛みを止めているだけであるため、腸脛靭帯そのものの損傷はさらに強くなり、軽度のものも中度、重度と症状が悪化してくる可能性もあります。
消炎鎮痛剤は根本治療にはならないということをしっかりと頭に入れておいたほうが良いでしょう。
他には電気治療や超音波治療などを行うこともあります。これらの治療法も患部の消炎鎮痛や循環改善を目的におこなわれますが、劇的に改善する治療法とは言えないのが現状です。
また、腸脛靭帯炎はランナーに起こる症状ですので、一般的な整形外科よりもスポーツ整形に通うとより専門的な筋トレやストレッチなどの指導を受けることができます。ただし、どれも劇的に痛みがなくなるというものではありません。
一般的な整形外科の治療法をまとめてみるとこの治療法が優れていると言われる治療法はなく、なかなか治らないことが多く、その結果、「腸脛靭帯炎はなかなか治らない膝痛」と言われることもあります。その中で、最新の整形外科治療でおこなわれるようになってきたのがPRP注射です。
整形外科での最新治療法・PRP注射とは?
最近、整形外科ではPRP療法が取り入れられるようになりました。PRPとは「皮膚再生」という意味です。シップや英寝具では傷ついた靭帯そのものの修復にはなりませんが、こちらの治療法では傷を直接治すことができます。
PRP療法は、自らの血液で筋肉や靭帯の傷を治します。自分の血液ですので拒絶反応などの恐れもありません。
<治療の流れ>
1.30mlの血液を採取する
2.採取した血液から血小板を摂りだす。
3.血小板に塩化カリウムを加えコラーゲンを作りやすくする。
4.局所麻酔を行う。
5.血小板の凝縮液を注入する。
靭帯の9割はコラーゲンからできています。傷の部分にコラーゲンを注入することで傷が自然に治るようになります。血小板には成長因子が含まれていて、固まるときにコラーゲンが作られます。ですから、安静にしているよりも早く回復するのです。
もともとは美容整形で使用されていたものですが、スポーツ界でも使用されるようになり、整形外科でも行われるようになりました。ただし、保険適用外のため1本数万円します。
他にも病院によって特別な治療を行っていることがありますので、専門の病院を探してみると早期回復につながるかもしれません。
それでも症状が改善されない場合は!?
上記に様な保存療法を行っても症状が緩和しない場合は、ステロイド注射を行ったり、腸脛靭帯を一部切り取る手術が行われたりすることがあります。ただし、こちらはあまり一般的ではありません。ごくごくまれなケースですが、手術を行う場合もあるということだけは頭に入れておくとよいでしょう。
まとめ
腸脛靭帯炎に対する整形外科の治療法で特別優れているもおのがあるかというと残念ながら現段階では優れているというものは見当たりません。それはほとんどの治療法が痛みを訴えている腸脛靭帯部に湿布を貼ったり、注射を打ったりしているからです。腸脛靭帯炎そのものの原因は痛みを訴えている部位にはなく、腸脛靭帯につながる骨盤周りの筋肉が硬くなることが大きな原因です。いくら痛みを訴えている部位を治療してもなかなか治りません。
より早期に腸脛靭帯炎の治癒を望むのであれば、腸脛靭帯炎の根本治療をおこなってくれる専門の医療機関を探すことをお勧め致します。
土井治療院での腸脛靭帯炎に対する治療法