シンスプリントにシップは効果あり?
スポーツをしている学生などに好発するスネの内側(脛骨内側)の痛みを訴えるシンスプリント。発症初期は運動をしていると徐々に痛み出し、やがて痛みで競技を続けるのが難しくなるほど痛みが強くなってきます。整形外科を受診し、X線(レントゲン)検査をし、骨に異常がないことがわかると「シンスプリント」と診断されます。整形外科ではシップの処方と運動を中止し安静にするように言われます。
シンスプリントになる人はスポーツを本格的におこなっている人が多く、得に学生ではなかなか練習を休めない環境であることが多いです。1日でも早期に練習を復帰したいと考えている人たちにシップを貼ることは効果があるのでしょうか?
シップの効用は消炎鎮痛効果。多少の痛みは和らいでも根本治療にはつながらず
一般で販売されているシップや整形外科で処方されるシップは非ステロイド系消炎鎮剤です。シンスプリントは医学的な正式名称は「過労性骨膜炎」です。スポーツのオーバーユースによりスネ(脛骨)の内側側の骨膜が炎症を起こして痛むと考えらています。そのため、運動を中止し炎症を取り除くためにシップを処方されます。確かにシップを貼ることで一過性にシンスプリントの痛みは和らぎます。しかし、再び運動を始めると痛みが出てきてしまいます。運動をする→シンスプリントが痛む→シップを貼ると多少痛みが和らぐ→運動をする
→再び痛む→やがてシップを貼っても痛みが変わらない
という経過をたどります。残念ながらシップを貼っても根本治療にはならず、運動をすると再び痛みが戻ってきてしまいます。
シンスプリントの根本原因は炎症が原因ではない
シンスプリントの根本原因は炎症があることが原因ではありません。炎症は結果であり、なぜ炎症が起きてしまうかが問題です。スネの内側(脛骨)に痛みが起こってしまうのは体の連動性が欠如し、スネの内側(脛骨)に負担のかかる動き方をしてしまっている場合が多いです。シップで炎症を抑えてもスネの内側(脛骨)に負担のかかる動きを改善しない限り運動をすると再び痛みは戻ってきてしまいます。体の連動性が欠如してしまう原因としては背骨、骨盤のゆがみにより骨盤回りの動きが悪く膝下を中心にした動き方になってしまい余分に膝から下の筋肉を使用するようになり、スネの内側(脛骨)にくっつく後脛骨筋が張って脛骨の骨膜を引っ張ってシンスプリントを起こしてしまいます。また、過去の捻挫(ねんざ)が原因で足根骨(くるぶしから下の骨)がゆがむことで足の土台が不安定になり、後脛骨筋が余計に張ってしまいシンスプリントを起こすことがあります。
シップを貼ったりアイシングをしたりしても運動を開始すると再び痛みが戻ってしまうのは骨盤回りの動きが悪くなってしまうこと、足根骨のゆがみが原因であるためこれらを改善しない限り、再びスネの内側(脛骨)に炎症が起きてきてしまいます。この2点を改善しない限りシンスプリントの根本改善にはならないです。