シンスプリントと疲労骨折の違いとは?

スポーツをおこなっている10代に多く発症するシンスプリント。最近はマラソンブームもありかなりハードに練習をおこなう社会人の方も多くいるため、若い子のみではなく多くの年代でシンスプリントになる方は増えています。
シンスプリントはスネの骨(脛骨)の内側が痛くなる疾患ですが同じような部位が痛む疾患として疲労骨折があげられます。シンスプリントと疲労骨折では予後も異なりますので見分けが必要になります。
シンスプリントと疲労骨折との違いとはどのようなものなのでしょうか?

シンスプリント、疲労骨折で痛む部位は?

シンスプリント、疲労骨折で痛む部位はスネの内側です。発症初期は運動をしていると徐々に痛みが強くなってくるタイプと、運動始めに少し痛むが運動をしていると痛みは和らいでくるタイプがあります。両方とも痛いけど運動はできるという状態です。
多くの選手がこの状態で治療を開始することはありません。痛いながらも治療を続けているという選手が多いです。やがて痛みが強くなってきて競技を続けるのにも支障が出るほどの痛みになってきます。

シンスプリントの痛む部位はスネの骨(脛骨)の下3分の1周辺に痛みが出ることが多いです。広範囲に痛みを訴える人はスネの骨(脛骨)の中央付近まで痛むこともありますが、上のほうが痛くなることはほとんどありません。
一方、疲労骨折の場合は脛骨どの部位にも起こる可能性があります。シンスプリントが好発する脛骨下3分の1周辺から、脛骨の上側まで起こる可能性があります。
ただし疲労骨折になったら脛骨全体が痛むのではなく、脛骨下3分の1が痛んだり、脛骨上3分の一が痛んだりと痛む部位は疲労骨折を起こしている部位に限局されます。

シンスプリントと疲労骨折は痛む部位も似ているため症状のみでの違いを見分けるのはなかなか判断が難しいです。

発症初期はレントゲン写真では区別が難しい

シンスプリントと疲労骨折の区別を診断するのにはX線(レントゲン)検査が有効ですが、発症初期の疲労骨折はX線上異常がみられないケースがあり、2~3週間経ってからX線検査をすると骨折の所見がみられることがあり、発症初期は疲労骨折であってもシンスプリントと診断されてしまうことがあります。また、脛骨上側の痛みの場合も初期はX線(レントゲン)で異常が診られることは少なく、鵞足炎と痛む部位が似ているため、鵞足炎と診断されてしまうことが多いです。

シンスプリントや鵞足炎と診断され2週間経過しても痛みがあまり変わらない場合、もう一度X線検査を受けたほうが良いかもしれません。脛骨上側の疲労骨折の場合、骨の中が骨折していることがあり、この場合MRI検査をしないと診断ができないため、確定診断を望む方はMRI検査をすることをお勧めいたします。

もしかして疲労骨折!?自分で確認する方法は?

シンスプリントなのか疲労骨折なのかの判断を自分でするのは難しいですが、一つの判断材料としてスネの骨(脛骨)をデコピンして響く痛みがでるかどうか確認してみてください。デコピンする部分はスネ骨の内側(痛む部位)ではなく、スネの骨の中央で良い出す。
押して痛い部位をデコピンするのではなく、押しても痛くないスネノ中央をデコピンして痛みが出るかを確認してください。これで痛みが出るようだと疲労骨折である可能性があるのでもう一度整形外科を受診しMRI検査などの精密検査をした方がよいでしょう。

シンスプリントの痛みがありながら無理に競技を続けていると疲労骨折になる可能性もあります。シンスプリントになっていしまう原因、疲労骨折を起こしてしまう原因ともに脛骨内側に負担のかかる動きになってしまっていることが原因です。それを改善しない限りシンスプリント、疲労骨折を再発する可能性があるため脛骨内側に負担のかかる動き、ゆがみの改善をすることがとても重要です。

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