シンスプリントを改善する筋トレとは?
スポーツをしている人に好発するスネの内側(脛骨内側)の痛み。小学生から大学生の学生中に激しいスポーツをしている人たちに好発します。初期は運動をしている最中に徐々に痛みが起こる程度で運動を続けることは可能ですが、やがて痛みで運動をおこなうことが難しくなってしまう事もあります。
「シンスプリントになってしまうのは筋力不足だから筋トレをしたほうが良い」という話を聞き、シンスプリントを改善する筋トレを始めようとする方がいます。
シンスプリントを改善する筋トレはあるのでしょうか?
シンスプリントは筋力不足が原因ではないため筋トレでは改善しない
答えから言うとシンスプリントは筋力不足が原因で起こるわけではありません。そのためいくら筋トレをしてもシンスプリントの痛みを改善するのは難しいでしょう。仮にシンスプリントの痛みが筋トレで改善したという方はおそらく筋トレをすることで筋肉への血液循環が良くなって筋肉がほぐれて痛みが和らいだ可能性があります。ほとんどの場合は筋トレではシンスプリントの痛みは改善しません。なかなか痛みが改善しないからといってひたすら筋トレをしていると返ってシンスプリントの原因となる筋肉が硬くなってしまい、増々治りづらいシンスプリントになってしまう可能性があります。
シンスプリントの方は筋トレをする前にシンスプリントの原因となっている動き、ゆがみを改善する必要があります。そうしない限り、筋トレをしても安静にしてもシンスプリントになりやすい動き、ゆがみを改善しない限り再び痛みが引き起こしてしまう可能性が高いです。
体の連動性を取り戻す
シンスプリントの原因はスネの内側(脛骨内側)に負担のかかる動き、ゆがみになっているのが原因です。体の連動性のとれた体だと走る動きをした際にも足の筋肉から、骨盤の筋肉、背中、上半身とすべての筋肉がバランスよく動くため一つの筋肉に負担がかかることはありません。しかし、脊柱起立筋や骨盤回りの筋肉が硬くなってしまうと体の連動性が失われ、身体全体の筋肉を使わずに下肢のみの筋肉で走るようになります。結果、連動性のとれた身体よりも足にかかる負担が増えます。特にスネの内側(脛骨内側)にかかる動きをしている人がシンスプリントになります。そのため、いくらシンスプリントに関連する後脛骨筋などのトレーニングをしても、後脛骨筋に負担のかかる動きをしている限り再びシンスプリントになってしまいます。
関節に歪みが起きてもシンスプリントになります。過去に捻挫の既往があったり、骨盤がゆがむことで骨盤から下肢にかけて関節にゆがみが起こります。下肢に歪みがあるとゆがみがない状態に比べて立っていても歩いていても不安定になります。ただしこの不安定感は本人には気づかない範囲の不安定さです。体は不安定な状態を避けようと筋肉を緊張させます。関節にゆがみがあると常に筋肉は一定の緊張状態でいることになります。
筋肉が緊張状態で運動を続けていると、ゆがみがない状態に比べて極端に筋肉に疲労を起こします。スネの内側(脛骨内側)にくっつく筋肉がゆがみにより緊張した状態で運動を続けるとやがて筋肉は増々硬くなり、付着部の脛骨の骨膜を引っ張るようになります。
その結果、シンスプリントになります。
体の連動性、下肢の関節のゆがみが原因でシンスプリントは起きます。そのためいくら筋トレをしてもシンスプリントは改善しません。まずは体の連動性を取り戻すこと、ゆがみを改善することがシンスプリントの痛みからの改善、再発予防につながります。