変形性股関節症にシップは効果あり?

股関節の痛みを訴え、整形外科を受診し、X線(レントゲン)を撮り股関節の隙間が狭まっていると「変形性股関節症」と診断されることがあります。初期症状の時はシップや痛み止めの内服を処方されリハビリをおこなう治療をする整形外科が多いです。
多くの整形外科ではシップを処方します。変形性股関節症にシップは効果があるのでしょうか?
痛みは和らいでも根本治療にはならない
シップは様々な種類、名前のシップがありますがここでいう「シップ」とは「皮膚に貼って痛みを取る貼り物」だと思ってください。消炎鎮痛効果のあるもので貼ることで炎症を抑え痛みを和らげます。炎症をやわらげることで股関節周辺の痛みは和らぐことはあります。しかし、変形性股関節症は炎症を取り除いても痛みが根本から改善するわけではありません。そのため初期にシップで痛みが和らいでもやがてシップを貼っても痛みが和らがなくなってきます。
シップを貼っても痛みが和らがないのに貼り続けるのは決して良いことではないので注意が必要です。
慢性炎症には湿布は逆効果になることも
変形性股関節症は捻挫(ねんざ)の時に足首が腫れたり、ぶつけたりしたときに打撲(だぼく)をした時に起こる急性炎症とは違います。急性炎症の時にはシップを貼ることで痛みが和らぐことがありますが、慢性炎症に対してシップを貼っても痛みが和らぐことはあまりありません。炎症を起こしている際には「プロスタグランジン」という血管を拡張させる物質が体内にでます。なぜプロスタグランジンが出るかというと傷んでいる組織を治すために栄養物質を組織に運び、老廃物を組織から取り除くために血液循環を良くする必要があり、それを促進するために血管を拡張させるのです。プロスタグランジンは組織をより早期に治すために体内に放出されます。プロスタグランジンが放出されると傷めた組織周辺は腫れて、赤くなり、そして痛みを伴います。いわゆる炎症が起こるのです。
シップはプロスタグランジンを放出を抑え、痛みを緩和させます。プロスタグランジンがでなくなると確かにその場での痛みは多少和らぎますが組織を治す働きを抑えてしまうことになります。
変形性股関節症の場合、軟骨に栄養ができるだけ行き届くようにした方が症状の進行を遅らせることができます。しかし、シップを貼ることでプロスタグランジンの放出を抑えると血管は収縮し、軟骨周辺へ行く毛細血管の血液循環が悪くなるので軟骨のすり減りを助長してしまう可能性があります。どうしても痛みが強くて生活に支障がある場合、一過性にシップを使用することが良いですが、何か月も使い続けることはあまりお勧めしません。