「膝がグラグラする」原因は!?
反張膝(はんちょうひざ)について
- 膝(ひざ)がガクっとなって力が入らない
- 歩いていると膝(ひざ)が不安定な感じがする
- 運動をしていると膝に力が入らない感じがする
上記のような症状を訴える場合、まず第一に考えないといけないのは膝関節を支える靭帯(じんたい)というゴムバンドのような組織に損傷がないかです
靭帯(じんたい)とは簡単にいうと骨と骨とをつなぐ関節部分が外れないようにしている強靭なゴムバンドのような組織です。靭帯(じんたい)が伸びたり、断裂したりすると関節は不安定になり、「関節がグラグラする」「不安定な感じがする」などの症状を訴えます。ただし、靭帯(じんたい)そのものはとても強靭な組織のため簡単に伸びたり断裂したりすることはありません。スポーツ活動時に関節が曲がってはいけないほうに急激に曲がったり、コンタクトスポーツでぶつかる、交通事故ですごい衝撃を受けたなどの場合に起こることが多いです。またスポーツにおいては過度に同じ動きを繰り返すことで起こる場合もあります。この場合も過度に強い負荷をかけた場合に起こります。
膝関節もグラグラしたり不安定になってしまうと体にとってはとても生活がしずらくなってしまうために膝の内側(内側側副靭帯)、外側(外側側副靭帯)、膝の中に前と後ろに十字に交差する靭帯(前十字靭帯と後十字靭帯)の計4つの靭帯でしっかりと支えられています。激しいスポーツをしている方は内側の靭帯(じんたい)である内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)を痛めたり、バスケットやフィギュアスケートのようにジャンプの着地のような衝撃を何度も繰り返すスポーツの場合膝の中にある前十字靭帯を痛めたりすることがあります。上記でも説明したように靭帯(じんたい)はかなり強度の高い練習を何度も繰り返すか、急激な衝撃が加わらない限り痛めない組織です。しかし、そのような負荷や衝撃を加えていなくても「膝がグラグラする」「膝が不安定な感じがする」と訴えている方がいらっしゃいます。この方々は靭帯(じんたい)ではなく何が原因なのでしょうか?
膝過伸展(ひざかしんてん)による不安定感
反張膝(はんちょうひざ)
膝関節(ひざかんせつ)はまっすぐ伸ばすと1本の棒のようになります。ひざ関節は180度以上は反対に曲げることはできません。しかし反張膝(はんちょうひざ)と言い180度よりももっと曲がってしまう方がいらっしゃいます。膝を伸ばすとまっすぐではなく、くの字になってしまう方です。反張膝(はんちょうひざ)になると本来の関節可動域よりも動いてしまうことになるので「膝がグラグラする」「不安定な感じがする」と訴える場合があります。なぜ反張膝(はんちょうひざ)になってしまうかというと普段の使い方が大きな原因と言われています。特に反張膝が多くみられるのがバレリーナです。バレエの姿勢自体が反張膝が美しいとされているで仕方がないのですが、反張膝の度が過ぎると膝に痛みを訴えたり、力が入りづらいという症状がでてきます。
反張膝(はんちょうひざ)はなぜ起きる?
反張膝(はんちょうひざ)は太ももの骨である大腿骨とすねの骨である脛骨(けいこつ)の位置バランスが崩れています。通常の膝の状態に比べて大腿骨(だいたいこつ)が脛骨(けいこつ)より後ろに位置し、脛骨が前に出ている状態になります。大腿骨が前、脛骨が後ろに位置することにより反張膝(はんちょうひざ)が起きます。しかし、大腿骨と脛骨の前後のズレはX線検査では異常が見られないほどのズレです。
反張膝(はんちょうひざ)の検査方法
反張膝かどうかを検査するには一人でおこなよりも誰かパートナーに手伝ってもらったほうが簡単におこなえます。
まず検査を受ける人は仰向けに寝ます。両足を伸ばした状態で検査をする人は片脚のかかとをもちます。ゆっくりと足を上に上げていきます。この時に正常の膝(反張膝ではない膝)の場合、かかとを持ち上げると同時に太もも一緒に持ち上がります。しかし、反張膝の場合、かかとを上に上げていくと膝から下は動くのに太ももの上は動かない状態がかかとをあげてから数センチの間起きます。この状態があると「反張膝」である可能性が高いと言えます。
反張膝(はんちょうひざ)はどう治す?
反張膝(はんちょうひざ)であっても痛みや不安定感を訴えない方も多くいらっしゃいます。バレリーナの場合、多くの方が反張膝(はんちょうひざ)になっていますが、全ての方が膝に痛みを訴えたり、不安定感を訴えているわけではありません。しかし、バレリーナの中には膝の痛みや不安定感を訴える方が多くいるのも事実です。反張膝(はんちょうひざ)であっても痛みや不安定感を訴えない人と訴える人との違いは上記で説明した大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)のズレの大きさが大きいか小さいか?もしくは反張膝(はんちょうひざ)の状態で膝に負担のかかる動きを大きくすることで半月板などの組織に損傷を起こしているかです。
どちらにせよ大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)の前後のズレを元に戻した上げることで膝にかかる不安定感や痛みを解消することが望めます。ご自分でおこなう場合は脛骨(けいこつ)を前にだすような方法をおこなうと良いです。ご自分でやるセルフケアとしては大腿骨を前に出す、脛骨を後ろに下げるです。
反張膝(はんちょうひざ)の原因を単純に大腿骨と脛骨の前後のバランスが崩れていることが原因と説明しましたが、大きな原因の一つではありますが、全てではありません。大腿骨と脛骨の中で前後のズレプラスねじれも重なり、膝のぐらつきや不安定感を訴えている場合があるので、セルフケアでなかなか改善しない場合は反張膝を治せるお近くの医療機関に受診することをお勧めいたします。