骨盤の捻じれが身体に及ぼす影響とは?
野球の投球やバッティング、ゴルフのスイングやテニスなど、スポーツの中で身体を捻じる動作が多く有ります。特に長年続けていると、捻じり動作の影響が表れます。骨盤の前後の傾きに関しては注目されますが、左右の捻じれ(どちらかの骨盤が前に出ている)に関して意識は低くなりがちです。では骨盤の捻じれると、下半身を中心にどの様な変化が出るのでしょうか?
骨盤の捻じれが下半身に及ぼす影響
例として、右側の骨盤が前方にずれているとします。そうすると,前に出ている右足の太ももの付け根(股関節)が伸ばされます。太ももの骨(大腿骨・だいたいこつ)は前方にずれ、タオルを絞るように内側に捻じれます。膝は少し曲がり、内側に向きます。スネの骨(脛骨・けいこつ)は前方にずれ、太ももの骨と同じように内側に捻じれます。足首の関節は土踏まず(内側)にずれ易くなります。
一方、後ろに位置する左側は前に出ている右側の反対のずれを起こします。股関節は曲がり、太ももの骨は後ろにずれ、外側に捻じれます。膝は伸び、外側に向きます。スネの骨は後方にずれ、外側に捻じれます。足首の関節は外くるぶし側にずれ易くなります。
この様に、骨盤の前後の傾きだけでなく、捻じれる事により、下半身だけでもこの様な影響が出てきます。筋肉は骨に着きますが、その付着する部分「腱」が骨の位置が通常の位置に置かれていない為に、常に負荷がかかります。その期間が長くなると、筋肉の痛みや筋肉の張り、腱の痛みが出てきます。アキレス腱炎などがこのような原因でおきます。また骨盤が捻じれた状態でスポーツを続けていると筋肉が張った状態で競技を続けることになり、肉離れを起こしやすくなります。
骨盤の捻じれが内臓に及ぼす影響
骨盤には内臓が乗るような状態であります。その骨盤の位置がずれると、内臓の位置もずれてきます。そうすると、内臓機能にも影響があらわれます。
特に女性はホルモン分泌の異常が起こると体調不良も起こりやすくなります。骨盤のゆがみと不妊症の関係を訴える整体師の先生もいらっしゃいます。
内臓の働きをコントロールする神経にも影響が表れます。骨盤と頭の間を繋ぐ椎骨と呼ばれるサイコロの様な骨があります。位置がずれる事により、頭を支える椎骨の位置もずれてきます。そうなると頭の位置もずれ、首肩や眼精疲労などにも繋がります。
全ての競技の練習や日常生活に対して、左右均等に行なうのは難しいですが、左右差を出来るだけ少なくしていく事は、身体に対して非常に有意義である事は間違いありません。