足のアーチの構造
足のアーチを考える上でまず重要なことは長腓骨筋(ちょうひこつきん)が外くるぶしを回り足の裏を横切り第1中足骨についていること。もう一つは後脛骨筋(こうけいこつきん)が脛骨(けいこつ)後ろからうちくるぶしを回って第1趾についており各趾に広がっていること。この2つの筋肉がアーチの形成に寄与している構造になっているということです。
足は後足部が回外して前足部が回内することでアーチができます。
日常的にできるセルフケアとしては足の指の間に手の指を入れて足首をおさえグルグル回すように動かす。これはストレッチの要素もありますがアーチの構造の再構築と考えたほうがいいです。
外反母趾は現代病!?
横アーチがつぶれて偏平足になり、さらにヒールなどの先の細い靴を履くことで外反母趾になると言われています。
下駄を履いていた時代は、外反母趾はほとんどなく靴を履くようになってから外反母趾が起こるようになったと言われています。靴が普及していない国の人々を調べたところ外反母趾はほとんどなかったという文献もあります。
内側アーチがつぶれる原因とは?
内足アーチがつぶれる原因としてはアーチをつぶすような足の使い方、歩き方をしているからです。特徴としては立つときknee-in(ひざが内側にはいってしまう)していたり歩くときにもknee-inとtoe-out(つま先が外側に向いてしまう)させて過回内で歩くという動作になります。最近の若い女性に多くみられます。
歩く方だけではなく立ち方にも大きな問題があることがあります。O脚だけれど、しゃがむとX脚になるという人は少なくありません。そういう人の多くは母趾球に力を入れて歩いています。なので、母趾球や母趾の内側にタコができています。一般的に「母趾球に力を入れて歩く」と言われていますが、踵からすぐに拇趾球に体重移動をするのは大きな間違えです。 歩行時の体重移動はかかとから着地をしたら小指側から拇趾球→拇趾へと移動していくのが良いです。
またいつも回内して内側アーチをつぶして歩く癖が子供の頃からついている人は舟状骨が落ちています。
子供の土踏まずの形成が遅れたり、土踏まずがないのは裸足で遊ばないからだという説もあります。靴を履いていると足趾をあまり使わなくてもすみます。土踏まずの形成には裸足のほうが良いと言われています。昔は裸足で走ったり、竹馬に乗ったり、缶にひもをつけたポックリのような遊びをすることでしっかりとしたアーチのある足が形成できたと言われており、上記のような遊びをしなくなったことが現代の子供たちのアーチの崩れの原因のひとつとも言われています。
アーチを崩さない立ち方とは?
美容師さんなど一日10何時間も立って仕事をしている方は足底腱膜炎(足底筋膜炎)や外反母趾などかなりの確率で足に問題が生じています。長時間立ち仕事労働者は靴に問題がある場合もありますが足の形の方が重要です。
まずは立ち方を意識してみましょう。立方骨に体重を乗せ膝とつま先の方向を一致させるのがポイントになります。立方骨に体重が乗るということは内側アーチはつぶれていないということになります。
四足動物の足の中の骨格を見てみるとヒトがつま先立ちをしているようなハイヒールを履いているような構造になっています。
四足動物であった人間ももともとはつま先立ちの構造でした。
ですが誰もがハイヒールを履きこなせている訳ではありません。過回内して立ち方が悪い人、あるいは過回外の人が履くと障害に繋がる履物になります。
人は想像以上に色々な体の使い方をします。
本来ならジョギング中、左に方向転換するときは右足の母趾の内側に荷重して方向転換するのですが
左に方向転換するとき、右足の外側に荷重していたり走るたびに荷重ポイントが違っていたりなぜか外側に乗るという人もいます。
こういう人の足裏には母趾の内側に必ずタコができています。設計通りきれいに足を使えている人にはタコやマメはできないと思います。
足のアーチを良い状態に保つためには足の使い方をよくしなければいけないということです。