坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)の治療
上記のMRI画像は、私の患者様から直接お借りしてきた画像です。素人目にもおわかりかと思いますが、典型的な椎間板(ついかんばん)ヘルニアを患っています。
MRIを撮った当初は右足太もも後側~ふくらはぎ、足底全体に強いシビレ、痛みがあり、歩くのも、片足を引きずってやっと歩ける程度でした。
いわゆる坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)の症状です。
椎間板ヘルニアは手術適応になることもありますが、この患者様は手術を行わず、定期的に当院の治療に通っていただいた結果、現在はシビレや痛みもなく、少し予約時間に遅れた時には、小走りでやってくるほど症状が改善しました。MRI画像上、骨や軟骨に異常をきたした重篤な坐骨神経痛でも当院の治療で改善することが望めます。
坐骨神経痛は、鍼灸マッサージで治療が可能な場合も数多くあります。足のシビレでお困りの方、ぜひ一度、土井治療院の治療を受けてみてください。
好発
- 長時間座る時間が長い方
- 長年腰痛持ちの方
- 10代で激しい運動をしている子(腰椎分離症や椎間板ヘルニア、梨状筋症候群などが原因)
- 60代以上の方(脊柱管狭窄症、変形性腰椎症など)
基礎知識
坐骨神経とは?
人体で最大の神経であり、下肢の後ろ(太ももの裏、ふくらはぎ、足の裏)やすねの知覚(痛みや感覚を感じる神経)を支配する神経です。
坐骨神経は、図に示すとおり、お尻の奥から始まり、太ももの後ろのほぼ中央を通り、膝(ひざ)の少し上で二手に分枝します。
一つは膝(ひざ)後ろ中央、ふくらはぎの中央を通って、足の裏までたどります。
もうひとつはすねを下って足背まで達します。
坐骨神経痛は病名ではなく症状名
坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)と聞くとそのような疾患があると一般の方は思うでしょう。しかし坐骨神経痛というのは、上記で示した坐骨神経の走行上ににシビレや痛みを訴える症状のことを指します。
ではなぜ坐骨神経痛が起きるかというと坐骨神経の走行上に何らかの圧迫するものがありそれが原因で痛み・痺れが起こると言われています。
世間一般的には「足のシビレ」=坐骨神経痛という疾患だと思われていますが、坐骨神経痛は疾患の名前ではなく、症状を現す名前です。
椎間板ヘルニアでも坐骨神経痛は起きますし、腰部脊柱管狭窄症でも起こります。など何らかの疾患で起こる坐骨神経の走行上の痛み・しびれを坐骨神経痛と言います。
坐骨神経痛を起こす疾患は様々あります。
要するに、腰から出た坐骨神経が足の先まで達する途中で何らかの原因(軟骨や筋肉)で坐骨神経が圧迫されて起こる足の痛みやシビレを総称して坐骨神経痛と呼びます。
足の痺れ=座骨神経痛と考えている方もいらっしゃいますが、坐骨神経痛以外にも足のしびれを訴える疾患は様々あります。
・大腿神経痛→太ももの前側がしびれる症状
坐骨神経と大腿神経は全く別の神経で太ももの前がしびれる場合は大腿神経の走行上で何らかの圧迫があって痛み、痺れが起こります。大腿神経は第2~4腰椎からでます。一方坐骨神経は第4腰椎~第3仙椎から出るので出口がそれぞれ違うため、腰椎のヘルニアの位置により大腿神経痛が起きたり、坐骨神経痛が起きたりします。
・足根管症候群→足の裏のみしびれる
足の裏の痛みは坐骨神経痛でも起こりますが、足根管症候群とはうちくるぶしとアキレス腱の間にある血管や神経の通るトンネルのようなところです。この部位で足裏に行く神経を圧迫してしまうことがあり、足裏に痺れを起こすことがあります。
・片足全体がしびれる→閉塞性動脈硬化症(糖尿病などによる)
糖尿病を患っている方は、足の血管の動脈硬化により足に痺れを訴えることがあります。この場合は虚血による痺れ・痛みであるため特定の神経の走行上の痛みでないことがあります。足全体がしびれる・痛むなどと言う方で間欠性跛行(歩いていると徐々にしびれて休むと楽になる。)が見られる方は閉塞性動脈硬化症である可能性があります。
・両足全体がしびれる→脳出血、脳梗塞、頸髄症
両足がしびれたり、足の腱反射が亢進している。足の痺れ痛みに加え、手に痺れや・痛みがある。顔面神経麻痺がある。舌を出すと曲がってしまうなどの症状がある方は脳血管障害や腰椎ではなく頸椎の問題である可能性があるため、病院で頭、首の精密検査を受けたほうが良いでしょう。
坐骨神経痛の症状
臀部(お尻)、大腿後面(太ももの後ろ)、下腿三頭筋(ふくらはぎ)、足の裏、前脛骨筋(すね)の痛みまたはシビレ
上記のすべてがシビレや痛みを感じる場合もありますが、神経の圧迫具合により、太ももだけシビレる場合や、足の裏だけがシビレる場合もあります。
お尻(臀部)は坐骨神経の走行上ではありませんが、臀部の筋肉を支配する上殿神経、下殿神経は坐骨神経と一緒にでてくるので坐骨神経痛とともにお尻(臀筋)に痛みを訴える方が多いです。
脊柱管狭窄症、腰椎分離すべり症による坐骨神経痛の場合、腰を後屈(後ろにそらす)すると痛み・痺れが出ることが多いです。
脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化症 は歩いていると徐々に痛み・しびれが強くなり、休むと痛み・痺れが楽になるという症状がでます。これを間欠性跛行(かんけつせいはこう)と言います。
当院での坐骨神経痛に対する治療
当院では、坐骨神経痛の根本治療をするために、何が原因で坐骨神経痛になっているのかを問診や、細かい触診により見つけ出していきます。坐骨神経痛の方は坐骨神経痛を起こす原因となる部位に特有と圧痛、硬結がでてきます。坐骨神経痛の原因となっている圧痛・硬結を探し出すには細かい触診能力が必要です。当院ではスポーツマッサージの技術を活かし、より細かく筋肉や関節、靭帯を触診することで坐骨神経痛の根本原因を探しだしていきます。
坐骨神経痛は軟骨が飛び出て神経を圧迫する椎間板ヘルニアや老化による骨の変形が原因で神経を圧迫する腰部脊柱管狭窄症などが原因と整形外科で診断されることがあります。
しかし、X線検査(レントゲン)で椎間板ヘルニアと診断されてもヘルニア自体が画像上治っていなくても痛み、しびれが改善することは多々あります。(画像上、軟骨が飛び出ている、骨が変形しているが、痛み・しびれは全く感じなくなることがあります)
私の治療経験上、坐骨神経痛の改善には脳脊髄液の循環改善も大変重要だと考えております。脳脊髄液とは脳と脊髄の間を行き来する液体のことです。
脳脊髄液の循環が滞っていると様々な筋肉に硬結を起こします。特に神経が出る脊柱の周りや臀筋周りの筋肉を硬くします。坐骨神経の走行上の筋肉が硬く、その筋肉をマッサージなどで緩めても根本原因は脳脊髄液の循環不良であるため再び筋肉は硬くなり坐骨神経痛が起こってきます。
脳脊髄液の循環を良くしてから、その後の臀部の筋肉を緩めるツボ、下肢のしびれ・痛みを取り除くツボに鍼治療をしていくと効果が長持ちし、さらに根本改善が望めます。
従来の鍼治療は筋肉に対するアプローチ、経絡(ツボの道)に対するアプローチをすることはあっても脳脊髄液の循環改善をしている鍼治療は少ないです。
ちまたで「鍼治療はその場しのぎの痛み取り」「鍼は癖になる」などと言われることがありますが、それはただ単に筋肉に鍼を打って一時的に痛みを和らげているだけです。確かに鍼でそのようなこともできます。しかし当院の鍼灸治療はただ筋肉に鍼を刺すだけでなく、脳脊髄液の循環を良くしたうえで経絡を使い内臓機能を上げ、筋肉を緩めたり、痛みの改善を図るため「痛みしのぎ」や「癖になる」ことはなく根本治療になります。
また、脊柱、骨盤、下肢の骨のゆがみが原因で坐骨神経痛が起こることがあります。腰から足にかけての足にゆがみがなければ筋肉にかかる負担は少なく歩いたり運動したりすることができます。
しかし、腰から足にゆがみがあると歩く、運動する際にバランスが悪いため、余分に筋肉が緊張しないといけません。坐骨神経痛は筋肉の間を通っているのでゆがみがあり、筋肉が緊張して硬くなっていると筋肉の間を通る坐骨神経を圧迫し、痛み・しびれを起こします。
当院では「バキッ」というような強い整体ではなくとてもソフトな整体で脊柱から骨盤・下肢の骨のゆがみを正していき、坐骨神経痛を改善していきます。
坐骨神経痛は何が原因であるかをしっかりと見極め治療をおこなえば改善する疾患です。
坐骨神経痛の根本改善を望む方はぜひ土井治療院の治療を受けにきてください。