変形性腰椎症
好発年齢
45歳以上 老年男性に多くみられる。
基礎知識
脊椎の様々な部位が老化(退行性変性)にともなって変性してくる。
①椎間板(ついかんばん)の水分が減少し、弾性減少
→椎間板(椎間板(ついかんばん))がつぶれてくる。側方へ膨隆することあり。
②椎間関節(ついかんかんせつ)の変形
→関節内の軟骨が擦り減る。
③椎体辺縁の骨棘(こつきょく)形成
→骨のトゲができ、場所によっては神経を圧迫し、痛み を起こす。
結果、腰椎(ようつい)の不安定性が生じる。上記の①②③のような変形そのものは痛みの原因にはなりませんが、変性に伴い、不安定性をかばおうと周囲の筋や関節部に負担が増し、筋や関節が硬くなり、痛みを起こす原因となります。
また、椎間孔などの神経が出入りする骨の穴に骨棘(こつきょく)ができ、そのトゲが神経に触ると、坐骨神経痛などの神経痛の原因となります。
症状
- 特徴的な症状として動作開始時痛(朝起きると痛むが日中は楽になる。)がある。
- 腰から背中にかけての痛み。
- 背中が丸くなってくる。(老人性円背・ろうじんせいえんぱい)
※女性の場合、背中が丸くなるのは、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の可能性が高く、男性の場合、変形性脊椎症の可能性が高い。 - 骨棘(こつきょく)の形成や椎間板(ついかんばん)の膨隆が高度になると足の痛み、シビレ、運動障害(うまく動かせない)や自律神経障害(冷えやほてり)がおこってくる。
検査
X線→椎間板変性(ついかんばんへんせい)、骨棘形成(こつきょくけいせい)がみられる。
整形外科での治療
- 消炎鎮痛剤(痛みどめの飲み薬や湿布)の処方
- 温熱療法
- 電気療法
- 運動療法
当院での治療
変形性脊椎症では、変性に伴う腰椎(ようつい)の不安定性のため、筋が硬直し、血液循環が悪くなり、老廃物がたまり、神経を圧迫し痛みを起こします。当院では、はり、マッサージを施し、硬くなった筋肉を緩め、血液循環を促進し、症状の改善を図ります。また、血液循環が良好な部位は老化による変性が起こりづらいので、定期的な治療は疾病の進行予防にもつながります。
変形性脊椎症の場合、硬直した筋肉をピンポイントで刺鍼すること、椎間関節(ついかんかんせつ)にピンポイントではりを刺す技術を必要とします。スポーツマッサージで身に付けた筋肉や関節への細かい触診力により、的確に病変部位を治療することにより、高い治療効果が望めます。
軟骨は痛みを感じない?
整形外科に行くと、膝や腰の痛みでお悩みの方は、一定の年齢(だいたい50歳以上)を越えると「軟骨が擦り減っているから」と言われる方がたくさんいらっしゃいます。ですから、皆さま必死になって軟骨の成分であるグルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントを毎日飲んでいる方がいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな皆様に一言お伝えしたいことが・・・・
軟骨には痛みを感じる神経はなく、擦り減っても痛みは感じないのです!!
では、痛みの原因は?
ある程度の年齢をいくと、軟骨は擦り減ってきます。でも、上記でもお伝えしたようにこの段階では痛みは起こりません。実は、軟骨が擦り減っていくと、軟骨の細かな粒子が関節内に飛び、関節を覆っている袋(関節包)に当たることで、その袋が炎症を起こし、痛むのです。 ですから、サプリメントを取って軟骨を再生することよりも、関節を覆っている袋に起きている炎症を取ること、軟骨に負担をかけないように、周りの筋肉を鍛えることが重要になってきます。
当院では整形外科で「軟骨が擦り減っている」と言われた患者様を何人も治してきています。整形外科に通ってもなかなか良くならない方、ぜひ一度当院の治療を受けてみてください。